国語科学習指導案
               日時   平成14年10月29日(火)第5校時
               学級   2年1組 男子18 女子11 計19名
               指導者  杉渕鉄良               
研究主題
 「生きる力」をはぐくむ指導の工夫
 
1 指導にあたっての考え
(1)基礎・基本の力を育てる  
 読み・書き・計算の力をつけることにより、「やった」「できた」という体験(成功体験せをさせ、やる氣を引き出す(※氣は発するもである。現在の字だと〆になってしまい、氣を閉じこめてしまう。それゆえ、力を発揮させる「氣」の字を使っている。)。
 学習能力(たとえば、集中力、段取り力、認識力、上達力=学習の転移)を育てる。
 最初は作業等に時間がかかるが、基礎ができると作業等のスピードは加速する。授業の密度が濃くなり、無駄な時間がほとんどなくなる。得た力は、他教科、他の活動に波及する。
(2)基礎学力を高める学習活動
 読み・書き・計算が中心。
 今回の授業では、漢字、音読、そして聴く・話すを取り上げる。
 ・漢字…フラッシュカード(読み、書き順、部首など)、書き取り
 ・音読…いろいろな読み(音読、暗唱、表現読み、群読、)(ステレオ、リレーなど) ・聴く・話す…指名なし発言による話し合い・聴き合い 
◆三層







 

読み・書き・計算
  ↓   ↑
  学習能力
  ↓   ↑
生命力=生きる力
(やる氣)   
 
 読み・書き・計算の力をつける。
   ↓    ↑
 「できた」「やった」成功体験をさせやる氣を引き出す。
   ↓    ↑
 学習能力を育てる。
   ↓    ↑
 その子の中に眠っている生命力を覚醒する。
 
◆三つのステージ(上達の道筋)   ※10月29日現在
    初級     中級     上級 
   入れる     確かに   高度に
   感覚づくり     認識づくり    勘(直感)づくり
   覚える     使える   使いこなせる



 
初級…部首、魚のつく字、干支、群読、かけ算の応用
中級…書き順、画数、音読(表現読み)、10回たし、10回ひき
上級…10マス計算                        
 基礎・基本の学習のポイント 

感覚→認知→勘(直感)
 

というステップを踏む。
 
 ・毎日、楽しく、上達が目に見えるようにする。
 ・ここぞというとき「全力発揮の場」を設け、一氣に力を伸ばす。
 ・ていねいに、じっくりやっていく(一人ひとり)。
 ・ある程度伸びたら厚みをつける(倒れないように、幹を太くする)。
   大切なのは、使えるようになるまで指導することである。
   イメージとしては、一輪車、自転車。学習では、九九。
   使えるようにならなければ意味はない。 
◆授業プラン




 

基礎・基本の学習(10〜15分)

本時の学習(30〜35分)
 

授業の頭に、基礎・基本の学習をもってくる。


 
2 指導の実際
◆単元について 
『お手紙』
 『お手紙』は、ユーモラスな物語である。子どもたちは、がまくん、かえるくんに共感しながら読み進めていくだろう。この話を通して、やさしさ、知恵、行動力を学ばせたい。また、自分たちの学級にどう活かしていくか、考えさせたい。
目標 
  漢字…カードの漢字を覚え、ぱっと読むことができる。
     ていねいに速く漢字を書くことができる。
  音読…リズム・テンポを意識して読むことができる。
     表現を工夫することができる。
  『お手紙』…場面の様子や登場人物の心情を読みとることができる。
        場面の様子や登場人物の心情を考えて音読することができる。
◆児童のよさと可能性(児童の実態)
 パワーがある、エネルギーがある、感性がある。
 現在、やる氣が増幅されてきている。
 教師の指導次第で、どこまでも伸びる可能性を持っている。
◆学習計画(8時間) 
 一次 読み聴かせ、感想発表
 二次 書き込み   15分×3回
 三次 第1〜5場面の読み取り 6回(本時は、3回目 各20〜25分)
 四次 まとめ
 
◆本時の学習(第三次の3回目)
 本時の目標
  基礎・基本 漢字…カードの漢字を覚え、前回よりぱっということができる。
           全力で、ていねいに速く漢字を書くことができる。
        音読…リズム、テンポ、表現を意識して読むことができる。
 『お手紙』  場面の様子、がまくん、かえるくんの心情を考えて音読できる。
        第3場面の様子、がまくん、かえるくんの心情を読みとることができる。
 本時の展開

      学習活動

      指導・支援

時間

基礎・基本の学習 漢字 読む、書く ・フラッシュカード
 読み、書き順、
 部首
 魚のつく字、干支 を読む。
 絵や古代文字を見て漢字を当てる。
 
・書き取り 
 プリント bP できるところま で、ていねいに速く書く。

・クイズ
 口に2画つけ加えて漢字をつくる。 班で協力して、漢字を見つける。

 


テンポよく、リズミカルにおこなう。
一斉、個人、両方おこなう。
部首カード、干支は、子どもにやらせる。
うまくいかないときは、助言する。

あらかじめ、プリントを配っておく。
できない子には、ヒントを出す。
止め、はね、払いなど、できていな
い子にはアドバイスする。

班対抗でやらせる。
「5個以上見つけましょう」
(例)目、白、右、田、兄、古
 








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基礎・基本の学習 音読    読む
 
音読のバリエーション
・一斉、グループ、個で読む。
・いろいろな読み方で読む。
『いるか』         (一斉)
 ・リズム読み
 音読の声で、リズミカルに読む。
『かたつむり』    (グループ)
 ・ステレオ音読…窓側と廊下側
 ・リレー音読…ペア    (個)
  自分なりに表現して読む。
 「おかしいな」と「おかしくない」 にわかれて読む
 
『おならはえらい』     (一斉)
 ・表現読み

『風景』     (一斉、グループ)
 ・群読




 

声をそろえる楽しさ、一体感を味わ
せる。
一氣にいくところ、じっくりいくと
ころと、メリハリをつける。

入るタイミングを合わせる。

流れを切らないように読ませる。
自分なりの表現をするように指示する。例「悲しそうに読むのか、くやしそうに読むのか」



表現を工夫させる。
(例)表情、動作化


遠近法、波紋法などを使わせて、イージを表現させる。
・遠近法…声 小→大 だんだん  近づいていく感じをあらわす。
・波紋法…人数を増やしていく。
 1人→2人→3人→4人→5人
  広がっていく感じをあらわす。













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本時の学習
『お手紙』
音読(グループ…ペア)    読む  ・会話文の表現読み
 練習→発表
 ペアで読み方を工夫し練習する。    
聴き合い・話し合い   聴く・話す
(指名なし発言)

 第3場面を読みとり、自分の考え を述べる。
 友だちの発言を真剣に聴く。
 友だちの発言をヒントに、自分の 考えをふくらませる。
 ゆずり合って発言する。


 


以前よりよくなった子、がんばっ
ている子をほめる。
参観者に見てもらう。




複数の子が立った場合は、ゆずり合
うように目で合図する。
一人一回は発言させる。
みんなで授業を創るという意識をもたせる言葉かけをする。
意見をつなげるように意識させる
いいところを見つけ、評価する。
いい表現を取り上げ、他の子に広げる。
 








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評価 
  基礎・基本 漢字…カードの漢字を覚え、前回よりぱっということができたか。
              全力で、ていねいに速く漢字を書くことができる。
          音読…リズム、テンポ、表現を意識して読むことができたか。 
  『お手紙』  場面の様子、登場人物の心情を考えて音読することができたか。 
          第3場面の様子、がまくん、かえるくんの心情を読みとることができたか。