鉄人のレポート |
教育の本質と具体的指導 教育の本質 子どもの中に眠っている無限力の覚醒、平たくいえば、やる氣を引き出すことといえるだろう。その子自身が氣づいていないものを引っぱり出すことではないか。 やる氣といってもいろいろあるだろう。その場限りのもの、少しの障害でしぼんでしまうもの… ここでいうやる氣とは、そんなものではない。どんな困難にあおうと、くじけず自分の力を信じて努力していこうとするエネルギーギーである。真のやる氣である。 この無尽蔵のエネルギーは使えば使うほど出てくる。あとからあとから出てくる。 自分のことを考えるとよくわかる。人からいわれてやるのと、自分からやるのでは大違い。同じことをやっても天と地ほど違う。 いわれてやるのはおもしろくなく、自分からいい出してやるのはおもしろい。 自分からやると、楽しい、疲れない、時間がたつのが短く感じる。充実感をえられる。いいことばかりである。 主体が自分にあるとき、人は力を発揮する。 自分の意志で動くとき、本当のパワーが発揮される。 これは、大人も子どもも同じだろう。
真のやる氣を引き出すためにはどうするか。 それは、成功体験をさせることである。 前提 精神が安定していなければ、真のやる氣は出てこない。 学級がその子にとって安定した場所であることが、大前提であろう。 2つの関係(信頼関係) その子と教師(先生に、認められている。ほめられる、励まされる) その子と学級(クラスメイトに、認められている、励まされる) 成功体験が突破口 自己否定しては、もっている本来の能力を開花できない。なぜなら、自分でブレーキをかけているからである。成功したところだけを頭に焼きつけるのがいい。 成功体験をさせる その子の興味あるところから、得意なところから切り込んでいく。 その子が、少し努力すれば手が届く課題を設定する。 成功体験を積ませるために 教えるべきことは教える。…見通し、手段や方法 小さな成功体験を積ませることが大切である。
小さな成功体験が積み重なると、自信が出てくる。教師にいわれなくても、違うことに対しても「やってみようかな」ということになる。苦手なことにも挑戦し始める。 これを、子ども一人ひとりに対しておこなう(当たり前のことであるが) できるだけ子どもへの指示を控え、できるだけ子どもたちからいい出させるように。したい。たとえば、「勉強しなさい」というのではなく、子どもの口から「勉強する」といわせるのである。子どもの自発的意志がポイントである。 波及 その子のやる氣を増幅させる→学級に波及させる。 お互いの成長を共に喜ぶ。 いいものを出し合う。助け合う。高め合う。 クラス全員のやる氣を育てる。 全員がやる氣になると、驚くべきことが起きる。 この全員が、全校児童全員だったら! やる氣の広がり 個の意欲→学級集団の意欲→学校集団の意欲(今、これに挑戦中である) |
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100倍細かく ほめる 1 どうしてほめるのか。子どもを伸ばすためである。 2 ほめると、子どもはやる氣になる。 3 元氣になる。 4 またやろうという氣になる。意欲の継続。 5 自分を認められてうれしくなる。 6 ほめられると、先生のことを好きになる。 7 ほめてくれる人のいうことはよく聴くようになる。 8 わずかなことでも、ほめられるとうれしい。 9 ほめられると、子どもの目が輝く。 10 好きな人にほめられると、いっそううれしくなる。 11 嫌いな人にほめられても、悪い氣はしない。 12 ほめられると、後が怖い。ははは。裏があると感じる場合もある。 13 作為的なほめ言葉は、すぐに見抜かれる。 14 作為的なほめ言葉、子どもは直観で見抜く。 15 本心からほめたとき、子どもの心にすーっと入る。 16 おもわずほめてしまう。これが本心。 17 ほめるとは、感動の表出である。 18 言葉でほめる。 19 目でほめる。 20 顔(表情)でほめる。 21 手でほめる。 22 躰全体でほめる。 23 涙を流す。 24 握手する。 25 だきしめる。 26 肩をだく。 27 たかいたかいをする(低学年の場合) 28 ぼそっとほめる。 29 言葉にエネルギーをのせる。 30 相手の目を見てほめる。 31 ほめるとは、子どものわずかな変化をとらえることである。 32 毎日見ていると、ほめることが見つかる。 33 ほめようと意識しないと、なかなか見えてこない。 34 ほめようと意識すると、ぎこちなくなる。 35 意識すると、わざとらしくなる。 36 続けると、ぎこちなさ、わざとらしさがなくなってくる。 37 無意識でほめることがある。 38 ほめるではなく、ハッと氣づいたときは言葉が出ていた、これぞ本物。 39 ほめるではなく、ほめてしまう。 40 ほめるとは、子どもの長所を見つけること。 41 ほめるとは、子どもを肯定的に見ること。 42 ほめることは、人間関係の基本原則。→もっと奥さんをほめること(^_^; 43 1にほめる、2にほめる、34がなくて、5にほめる。 44 ほめてほめてほめまくる。 45 どんな子でも、ほめまくると、少しずつ変わってくる。 46 後で効いてくるほめかたもある。 47 暗示もほめ言葉である。 48 予言しよう。「君はすごくなる」 49 教師は予言者になるべきである。→子どもの未来の姿を見てほめる。 50 容姿をほめる。 51 行動をほめる。 52 内面をほめる。 53 努力をほめる。 54 取り組みの過程をほめる。 55 成果をほめる。 56 わずかな成長もほめる。 57 先取りしてほめる。 58 間接的にほめる。 59 その子の親をほめる。 60 その子の所属している団体をほめる。 61 その子の友だちをほめる。 62 陰でその子をほめる。親にいう。友だちにいう。他の先生方にいう。 63 その子が自分で氣づいていないよさをほめる。 64 まわりがその子を見ている概念をくずすほめ方をしよう。 65 ほめることは、自分をさらけ出すことである。自分の見方、考え方がもろに出る。 66 自分の器以上にはほめられない。 66 自分の発想が貧困であれば、ほめることがワンパターンになる。 67 感動しない人は、ほめられない。 68 ほめるには、感性が必要である。 69 (私のように)感性が鈍い人は、磨けばいい。 70 見方、考え方を広げると、ほめ言葉が違ってくる。 71 見方、考え方を深めると、ほめ言葉に重みが出てくる。 72 見方、考え方を高めると、ほめ言葉が光るようになる。 73 自分をほめられない人は、子どもをほめられない。 74 比較してほめないこと。 75 相対的にほめるのと、絶対的にほめるのは、同じように見えても天と地ほど違う。 76 自分の基準でほめていないか。 77 自分の「ほめる」基準、尺度を見直そう。 78 自分に都合のいいことのみほめていないか。 79 自分の意にあったことだけ、ほめていないか。 80 当たり前だと思って、ほめていないことはないか。 81 自分がほめられた体験を思い出すと、子どもの氣持ちがわかる。 82 たった1つほめられたことが一生心に残っていることあり。 83 ほめるとは、子どもを活かすことである。 84 ほめるとは、子どもに「生きる力」を与えることである。 85 ほめるタイミングが問題である。→タイミングが命。 86 遅くてもダメ、はやくてもだめ、ピンポイント。 87 タイミングをつかむことに、全神経を集中せよ。 88 心からほめるとは、子どもの反応を氣にしないことである。 89 ほめたらすぐ忘れる。→過度の期待はプレッシャーになる。 90 ほめることで、子どもをコントロールしてはいけない。 91 だれでも、無意識のうちに(ほめることで)子どもをコントロールしようとしている。 92 自分に都合のいいことだけをほめるな。 93 怒りたいとき、むっとしたときこそ、ほめる材料が隠されている。 94 難しく考えない。とにかくほめる。 95 ほめるとは、具体的な行動である。 96 子どもに伝わるほめ方を工夫しよう。 97 自分の最初の子は、手放しでほめる。これがほめること。→裏に何もない。 98 ほめればほめるほどダメになる場合もあり。→状況判断。 99 怒ったことが、ほめることになる場合もある。 100 ほめることで一番変わるのは、あなた自身である。 |
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100倍細かく ほめる 子ども編 子どもたちの考えをまとめてみました。 どんなときにほめられるか 1 イニシアチブをしたとき 2 手伝いをしたとき 3 何かができたとき 4 歌で意味を考えて歌ったとき 5 いつもやっていないことをやったとき 6 運動会で1位になれたとき 7 姿勢をしっかりくずれないようにしたとき 8 3,4年生に歌とかを教えて、できるようになったとき 9 先生にいわれたとき、すばやく立ったとき 10 自分から進んでやったとき 11 「やって」といわれる前にもうやったとき 12 家庭学習でぎっしり書いたとき 13 自分がすごくがんばったとき 14 できなかったことができたとき 15 いい意見がいえたとき 16 意識していることができたとき 17 中身がよかったとき 18 何かを発見したとき 19 問題が解けたとき 20 工夫したとき 21 苦手なことができたとき 22 氣づいたとき 23 歌で声を出したとき 24 テストで100点取ったとき 25 最後までやったとき 26 がんばったとき 27 何もいわれないのに部屋を片づけたとき 28 努力したとき 29 何かが成功したとき 30 いいことをしたとき 31 みんなが氣づかないところを見つけたとき 32 命令されてできたとき 33 失敗してもがんばったとき 34 集中してたとき 35 人のために掃除などをしたとき 36 人のやらないことを自分から進んでやったとき 37 遠泳大会で全部泳ぎ切ったとき 38 お母さんが帰ってくる前におかずをつくったとき 39 作文を見せたとき 40 習字のとき、お手本をちゃんと見て、姿勢をよくしたとき 41 絵がうまく描けたとき 42 大変な思いをしてやったとき 43 いつも50点くらいの人が90点取ったとき 44 いつもはやらない人ががんばったとき 45 意見を最初にいったとき 46 自分だけの意見をいったとき 47 だれにもいわれずに、自分で決めて行動したとき 48 みんなのために、自分の氣づいたことをいったとき 49 大きな声が出ない人が、大きな声を出したとき 50 発言を何回もしたとき 51 自分から進んで意見を何回もいったとき 52 前よりできることが増えたとき 53 できることが人のためになったとき 54 何かをしっかりやりとげたとき 55 何かの賞を取ったとき 56 マラソン大会で1位をとったとき 57 水泳の検定で級が上がったとき 58 リレーで1位になったとき 59 苦手なことに挑戦してできたとき 60 太鼓をうまくたたけたとき 61 難しいことができたとき 62 姿勢とかをがまんしてよくしたとき 63 犬のしつけをしたとき 64 あきらめなかったとき 65 目標をクリアしたとき 66 何かがうまくなったとき 67 習字で名前がうまく書けたとき 68 剣道で、うまく面を入れたとき 69 お風呂掃除をしたとき 70 (お母さんの具合の悪いとき)食事の後かたづけをしたとき 71 リコーダーがうまくなったとき 72 進んで花に水をやったとき 73 ゴミを拾ったとき 74 黒板を消したとき 75 真剣に家庭学習をしているとき 76 逆上がりの連続をぐるんぐるんと4回転できたとき 77 跳び箱で8段跳べるようになったとき 78 自分一人の力で何か苦手なものをやりとげたとき 79 進んでゴミや落ちているものを拾ったとき 80 自分でいろいろなことを調べたとき 81 みんなで展覧会の後片づけをしたとき 82 重い荷物を持つのを手伝ったとき 83 バトンでかんぺきにできたとき 84 失敗を乗り越えたとき 85 習字で段が上がったとき 86 お皿洗いをしたとき 87 いろいろ氣づいたとき 88 家を掃除したとき 89 ご飯をたいたとき 90 買い物に行ったとき 91 洗濯物を1人で全部ほしたとき 92 大きい魚を釣ったとき 93 お金を5万円くらい貯めたとき 94 いろいろとあっても、成功したとき 95 たくさんイニシアチブをしたとき 96 バトンで難しい技を決めたとき 97 掃除などで新しいことを発見したとき 98 先生の氣づかない間違えに自分で氣づいていったとき 99 算数で計算ができたとき 100 家庭学習で、8ページ、10ページやてきたとき。 |
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100倍細かく 授業でほめる 1 授業前にほめる。 2 教科書をもってきたことをほめる。 3 ノートをもってきたことをほめる。 4 筆箱をもってきたことをほめる。 5 鉛筆をもってきたことをほめる。 6 消しゴムをもってきたことをほめる。 7 下敷きをもってきたことをほめる。 8 赤鉛筆をもってきたことをほめる。 9 定規をもってきたことをほめる。 10 チャイムが鳴ったら、教室に戻ってきたことをほめる。 11 チャイム着席していることをほめる。 12 指示されて教科書やノートを出したことをほめる。 13 指示されて教科書やノートをはやく出したことをほめる。 14 指示なしで教科書やノートを出していたことをほめる。 15 指示されて教科書を開いたことをほめる。 16 指示されてノートを開いたことをほめる。 17 指示なしで教科書を開いたことをほめる。 18 指示なしでノートを開いたことをほめる。 19 指示されて準備できたことをほめる。 20 指示なしで準備できたことを大いにほめる。 21 指示を聴いていることをほめる。 22 指示を3回で聴けたことをほめる。 23 指示を2回で聴けたことをほめる。 24 ふざけているのに指示を聴けたことをほめる。 25 友だちの動きを見て、準備したことをほめる。 26 指示を1回で聴けたことを大いにほめる。 27 指示なしで準備できたことを、「○○君を見てごらん。すごい」というように、全体に知らせてほめる。 28 「どこやるんだっけ」といった子を、ほめる。 29 「今日は、○ページやる」とわかっている子を大いにほめる。 30 今日やることはこれだ と黒板に書いてあることを見た子をほめる。 31 今日やることがはっきりわかっている子を激賞する。 32 復習してきた子をほめる。 33 予習してきた子をほめる。 34 復習してきたことをほめる。 35 ていねいに書いてきたことをほめる。 36 たくさんやってきたことをほめる。 37 準備の大切さがわかっていることをほめる。 38 やる氣ある表情をしている子をほめる。 39 ほめられた子を見てすぐに反応した子をほめる。 40 姿勢がいいことをほめる。 41 両足の裏がきちんと床に着いている子をほめる。 42 背筋をまっすぐにしている子をほめる。 43 足をきちんと閉じている子をほめる(女の子)。 44 口を結んでいる子をほめる。 45 教師の方を見ている子をほめる。 46 返事が大きい子をほめる。 47 返事が小さい子をほめる。「恥ずかしがらずに声を出したね」 48 「算数、いやだなー」といった子をほめる。→「いやなのにやろうとしている。すばらしい」 49 しゃべっている子をほめる。→「みんなの集中力を試している!」 50 騒いでいる子をほめる。→「君はエネルギーがすごい!」 51 教師に反抗する子をほめる。→「自分の意志をはっきり表現している」 52 「わかんないよー」といった子をほめる。 53 「できないよー」といった子をほめる。「きちんといったのがいい」 54 ノートに日付を書いた子をほめる。「いつやったかすぐわかるね」「後で、復習しようとしているね」 55 ノートに、やっているところのページを書いた子をほめる。「どこをやっているか、すぐわかるね」「後で見ても、ぱっとわかるね」 56 問題を書いた子をほめる。「頭の中でやろうとせず、書いて正確にやろうとしている」 57 問題を書かない子をほめる。「先生を頼りにしてくれているね」 58 答えを書いた子をほめる。 59 答えを書かない子をほめる。「不正確なことは書かない、きちんとやろうとしているね」 60 補助計算を書いた子をほめる。「簡単なこともおろそかにしないね」 61 補助計算を書かない子をほめる。「書かなくてもできるのがすごい」 62 ていねいに書いている子をほめる。「字がていねいだ」 63 字が汚い子をほめる。「これからうまくなるぞ。君には素質がある」 64 字が雑な子をほめる。「頭の中はていねいだ」 65 題名を書いたことをほめる。 66 指示で音読した子をほめる。 67 スラスラ読んでいる子をほめる。 68 たどたどしい読みをしている子をほめる。「これからうまくなるぞ」 69 はやく読んだ子をほめる。「もう1回読もうとしているね」 70 ゆっくり読んだ子をほめる。「じっくりていねいに読んだね」 71 声が大きい子をほめる。 72 声が小さい子をほめる。「声を出そうと努力しているね」 73 口を大きく開けて読んでいる子をほめる。 74 口を開けていない子をほめる。「もう少し口を開けたら、うますぎちゃう」 75 表情がいい子をほめる。「女優さんみたいだ。デビュー前にサインしてよ」 76 無表情な子をほめる。「よくそれだけ声だけで表現できるね」 77 教科書から目を離して読んでいる子をほめる。 78 教科書を見っぱなしの子をほめる。「正確に読もうとしているね」 79 最後まで読んだ子をほめる。 80 途中でイヤになってしまった子をほめる。「よくここまでがんばったね」 81 指示されて、ノートに考えを書いた子をほめる。 82 かけない子をほめる。「考えすぎるくらい考えてかけなくなったんだね」 83 1つ書いた子をほめる。「まずは、1つ書くことが大切だってわかっている」 84 2つ書いた子をほめる。「1つ書いて満足しない。向上心がある」 85 3つ書いた子をほめる。「2つでも満足しない。やる氣がある」 86 4つ書いた子をほめる。「すごい、追究しようとしている」 87 5つ書いた子をほめる。「すごい、10書こうとしている。目標を決め書いているのがすばらしい」 88 発言した子をほめる。「勇氣をだして、恥ずかしがる自分に勝ったね」 89 発言しない子をほめる。「発言しようかするのよそうか、心の中で戦っている」 90 何度も発言した子をほめる。「自分の手で授業をつくろうとしている」 91 1回も発言しない子をほめる。「よく聴いていたね」 92 「ぼくも」と「も」を使った子をほめる。 93 人の真似をした子をほめる。「いいところはすぐに真似する、その行動力がすごい」 94 オリジナルな意見を述べた子をほめる。「人と違う視点からものを見ることができる」 95 友だちの発言をしゃべって聴いている子をほめる。「同時に2つのことができる。聖徳太子並だ」 96 友だちの発言を聴いている子をほめる。「君は何が大切かわかっている」 97 友だちの発言をうなずいて聴いている子をほめる。「反応しているね。聴いていることが話し手に伝わるね」 98 話し手の目を見て聴いている子をほめる。「そんな目で見られたら、すごく話しやすい。話してよかったと思うよ」 99 真剣に聴いている子をほめる。「君は一生の財産を手に入れたね」 100 友だちの発言を聴いて、それを受けて発言した子をほめる。「聴くだけでなく、それを活かして考えたね。しかも、それをみんなに伝えたね」 |
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100倍細かく 生活指導 編 1 今までの生活指導で子どもがよくなったことはない。 2 目標はご立派だが、子どもを見ると… 3 目標を啓示することは、できていないことの確認なり。 4 「みんな仲良く」と書いてある学級は、仲が悪いこと多し。 5 紙に目標を書いて安心する教師かな。 6 問題は、目標を具現する力である。 7 具体的な行動をとらない人が多い。 8 目標を立てて「それを守りなさい」といって終わり。 9 できていないと「何で守らないの」と怒る。 10 これで子どもがよくなったら教師はいらない。 11 目標を「守る」って、おかしくないか。 12 決まりを守る。目標は達成する。 13 今週の目標というが、そもそも目標になっていない。 14 どうして年間計画がつくれるのか、4月に各月の目標が決まっているのか、不思議である。 15 子どもの中からわき出てきたものが目標になる。 16 目標がないと生活できないのか。 17 週末まで目標を覚えている子が何人いるか。 18 「廊下を走る子が減りません」「一輪車の片づけがよくなりました」現象のみの報告。 19 子どもたちの行動の背後にあるものを分析すること。 20 「今週の目標なんていらない」ということを子どもと話し合ったらおもしろい。 21 生活指導の別名は、先生指導。先生を指導した方が、子どもがよくなる。 22 子どもが先生用の目標を創ったらおもしろい。 23 「もっとわかる授業をする」「チャイムが鳴ったら授業をやめる」「板書を必ずきれいに消す」 というぐあいに。 24 今週の目標を、教師自身実行しているか。 25 自分は関係ないと思っている教師が多い。 26 「チャイム着席」意味を教えているか。 27 「できた」「できない」だけを見ていないか。 28 だから、子どもが現象だけしか見ないのである。 29 教師が、チャイム前に職員室を出ているか。 30 自分は遅れてもいいと思っていないか。 31 自分が遅れていったくせに、「席に着いていない」と怒る人あり。 32 教師が先に行っていれば、子どもは席につくものである。 33 すべてが同様。たとえば、教師がゴミを拾えば、子どもも拾うようになる。 34 すぐそうなるか、時間がかかるかの違い。 35 生活指導とは、生き方の指導でもある。 36 自ら考え実行する力をつける絶好の機会である。 37 それなのに、押しつけで終わっている。 38 押しつけられているから、教師の見ていないところではひどい。 39 自分だって、押しつけられたらいやだろうに。 40 プラスの生活指導をしよう。 41 新聞は、悪いことの記事が多い。よいことの記事は少なし。生活指導も同じ。 42 毎日、よかった点だけを教師が語ったらどうだろうか。 43 帰りの会の反省会は、百害あって一理なし。 44 お互いのあら探しに時間を費やすことなかれ。 45 「先生、○○君、ふざけて掃除やりません」といわれたらなんと答えるか。 46 いいところを見つけるのが、生活指導である。 47 発想を転換しよう。 48 月曜の全校朝会、つまらん話はやめにして、「先週、こんないいことがありました」という話を たくさんしよう。 49 そのあとがかんじん。「みなさんもやりましょう」というよけいな一言をいわない。 50 よけいなことをいうから、押しつけになるのである。 51 無意識に押しつけていることを意識しよう。 52 これを1か月つづけると、子どもが変わってくる。 53 うちの教頭先生は、いい行動をとった子に手紙をくれる。 54 手紙をもらった子は、またその行動をする。 55 手紙をもらえなくても続ける。 54 いい行動を見つけたら声をかけよう。 55 よくない行動を指摘し、いい行動を見過ごすこと多し。 56 よくない行動を見過ごし、いい行動を指摘する まだこのほうがいい。 56 よくない行動の中にも、ほめる種はある。 57 よくない行動をほめ、子どもの意識を変えるのが生活指導。 58 よくない行動こそ、ほめる種を見つけてほめよう。 59 よくない行動、いい行動とも2ほめること。 60 教師の仕事は、フォロー。 61 「一輪車が片づいていません」ではなく、片づければいい。 62 子どもができないことを指摘しない。教師がフォローすればいい。 63 教師がフォローすることで子どもは安心して行動できる。 64 うまくできなくても先生が助けてくれる これは信頼関係ができるということ。 65 安心しての行動から、さぼりは生まれない。 66 さぼりは、押しつけ、強制の落とし子である。 67 教師が自分が決めた決まりを守ることから始めよう。 68 言行不一致人のいうことをだれが聴くか? 69 あなたは聴きますか? 70 子どもだって聴きませんよ。聴いたらそれこそおかしい。 71 3つくらい決めたことを守って行動しよう。(例)時間を守る。あいさつする。 72 3か月過ぎるころ、子どもが変わってくる。 73 自分で律する力をつけるのが生活指導のポイント。 74 最初から自律はできない。 75 他律からはいる。 76 「どうしていけないの?」ではない。いけないことだ と教えればいい。 77 何でも子どもに考えさせる、決めさせるのは間違いのもと。 78 「どうしてあいさつしないといけないの?」→「やっているうちにわかります。まずは、やりな さい」 79 教師が口先人間だと、子どももそうなる。クローン? 80 教師の背中を見て子どもは育つ。けだし名言である。 81 一番大切なことは、いってはいけない。これが実感できたらたいしたもの。 82 自律は自立へつながる。 83 「自ら学ぶ」の裏に「自律」あり。これが見過ごされやすい。 84 自律とは迷惑感覚を養うことで生まれる感情である。 85 この感覚が養われるにしたがい、子どもは急成長する。 86 体験して初めてわかる迷惑感覚。 87 迷惑感覚とは、氣配りに通じる。 88 生活指導とは、氣配りの指導でもある。 89 強制されたものは、氣配りにあらず。 90 自分がよく思われたいと思ってしたことは、氣配りにあらず。 91 はき違えている教師が多い。 92 相手もうれしい、自分もうれしい これが氣配り。 93 氣配りは、自己犠牲ではない。自分を活かすことである。 94 子どものいい点だけを見つめよう。 95 ほめ続けよう。 96 至らない点は、教師がフォローしまくろう。 97 帰りの会、全校朝会などを活用し、ほめてほめてほめまくろう。 98 親にもそれを伝えよう。 99 プラスの生活指導が軌道乗ったとき、学校が変わってくる。 100 今やっている生活指導をすぐやめよう。今やっているのは生活死導に他ならない。 |
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100倍細かく 状況判断 1 瞬間的に身体が動くということである。 2 一瞬でも遅れると、すべては無に帰する。 3 選択肢の中の1つを選ぶことである。瞬間的に。 4 選択肢が少ない人は、いつも同じものを選ばざるをえない。 5 前提として、選択肢をたくさんつくること。 6 一面から見ず、多面的に見る。 7 視点を変えてみる。 8 立場を変えてみる。 9 いろいろな考え方、みかたをみにつけることが必要。 10 ひきだしをいっぱいにしよう。 11 ひきだしを整理しよう。 12 選択肢がたくさんあっても、取り出せなければないのと同じ。 13 すぐとりだせるように、トレーニングすること。 14 何度も失敗し、経験を積む。 15 いわゆる、勘を磨くということ。 16 瞬間的に何かをするトレーニングをする。 17 メーリングリストの投稿を見て、すぐに書き始めるのもトレーニング。 18 じっくり考えること、瞬間的にやること、両方が必要。 19 状況判断とは、総合的に考えること。 20 偏った見方では失敗する。 21 いつもまわりを見ていよう。 22 あらかじめ予測しておく。 23 想定し、シュミレーションをおこなう。 24 どうしよう と思ったらダメ。 25 動揺したら、判断できない。 26 動揺しないための秘伝あり→投稿して下さい。メール下さい。 けちくさいこといわないで書きます。 27 腹式呼吸をする。いつも。 28 1分間に2〜3呼吸(吐いて吸ってで1回)まで持っていく。 29 動揺しそうなとき、お尻の穴をしめる。 30 丹田に氣を入れる。 31 肩の力抜く(なかなか難しい)。 32 並行して判断する。 33 頭の回転はトップスピード。 34 判断とは、瞬時に行動することである。 35 頭レベルで終わってはいけません。 36 状況判断とは、呼吸である。 37 状況判断とは。間合いである。 38 この場合の状況とは、自分にとってよくない場合が多い。→そうでしょう。 39 逆も考えてみよう。逆から考えると見えてくることあり。 40 いいときは、無意識のうちに判断している。 41 リラックスして判断している。 42 いいときは、リラックスし無意識に判断するので成功すること多し。 43 自然だと、最善手を選択できる。 44 この逆も(よくないときも)、同じようにやればいい。→いうはやすく… 45 あなたはすばらしい状況判断ができているのである。→まずそれを認識する。→思い出してみましょう。 46 それを、応用すればいい。難しく考えないことも必要。 47 よくない場合も瞬間的に判断している。 48 家に入った瞬間、「今日は機嫌が悪いな、皿洗おう」と思う。 49 人に何かを頼むとき「いける」あるいは「だめかな」と思う。これも瞬間的。 50 力量ある人は、10年前に現在のことを判断できる。→超能力、予言51この場合の状況とは、自分にとって不利な場合が多い。 52 どうして不利と思うのか、それが問題の核心。 53 不利と思うのは、自分が狭いからである。 54 水をこぼしたら「どうしよう」が先になる。行動しない。 55 水をこぼしたら、さっと雑巾をもってくる。「どうしよう」ではなく 「こうしよう」 56 水がこぼれる瞬間、コップをさっとつかむ。こぼさない。究極 57 水がこぼれないような位置にコップを置いておく。 超究極 58 水をこぼさないように行動する。 59 人がこぼしそうになったとき助ける。 60 このように、例をあげて考えると見えてくる。これも状況判断。 61 起こってしまったことをくよくよしない。 62 すぐ行動。 63 先を読んだ行動。 64 他人の先を読んだ行動。 65 判断とは、選択すること。 66 迷わないこと。 67 少しでも疑ったら失敗する。 68 はったりでもいい。→ちょっといいすぎですね。 69 判断することは、決断することである。 70 指導者の条件でもある。 71 判断が遅れると、学級が崩れる。 72 その積み重ねが、いわゆる「学級崩壊」(ちりも積もれば学級崩壊)。 73 素早さがポイント。 74 迅速な行動がポイント。 75 ゆえに、すべてにおいて迅速な行動をとれるようにトレーニングが必要。 →また、トレーニングの話になってしまいました。 76 メールの返事をその場で書く。 77 手紙の返事をその場で書く。 78 頼まれたことを、すぐやる。 79 「あとで」という言葉を辞書からカットする。 80 頼まれそうなときに、先取りしてやってしまう。 81 いろいろなことを先取りしてやる。 82 その場でやることは、相手に対しての誠意である。 83 思いやることにもつながる。 84 待たされていやな思いをしたことはないか。 85 マクドナルドがはやったのは、対応が速いから。→いいすぎかな。 86 待たせるとは、相手の時間を奪うことである。 87 時間とは命である。→約束の時間を守っていますか(笑) 88 判断基準が間違っていたら、どうにもならない。 89 判断基準は、その人の価値観である。 90 その人の力量に規定される。 91 ゆえに、価値観を広げる、深める、高めること。 92 ゆえに、力量を高める努力をすること。 93 力量とは、人間的力量である。 94 指導者としての力量である。 95 専門家としての力量である。 96 それらが統合された力量が、あなたの力量である。 97 頭と心と体が連動しているか。 98 心で思うが、頭がじゃまする。身体が動かない。 99 3つを連動させ、とっさに動けるようにしよう。 100 状況判断とは、臨機応変のことである。 何を書いているのかわからなくなるところもありました。 あっちへいって、もどって、同じようなことを書いたり… 書いているうちに新しい視点をを発見したり。おもしろいです。 101 自分のことを考えての判断ではいけない。→ひとりよがり 102 相手のことを考えての判断ではいけない。→無理がある。うそくさい。 103 自分と相手、そしてまわりのことを考えるのが状況判断である。 |
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100倍細かく「朝自習編」子どもバージョン 朝自習のポイント50 1 時間を計ってやる。 2 時間は5分がいい。 3 問題数は5問(あんまりいっぱいあると、やる氣がなくなることがある)。 4 多くて10問くらい。 5 むずかし問題は7問くらい、簡単な問題は15問くらい。 6 ゲームのようにする(あきない)。 7 レベルをつける。 8 プリントにレベルをつける。クイズ(三択にする) 9 初級、中級、上級とコースをつくる。 10 1枚目は簡単に、2枚目は少し難しく、3枚目は超難しくする。 11 問題をだんだん難しくする。 12 2枚くらいプリントを用意する。 13 少しやれるコース、やれるコース、天才コースとかつくる。 14 人によって問題を変える。 15 人によって問題を少し変える。 16 1問おきに簡単な問題と難しい問題を入れる。 17 最初は簡単なものを出す。 18 その子がぎりぎりいけるくらい。 19 前の日やったのを見て、どれくらいできるかを見る。 20 先生にプリントを見せる。 21 何分でやるかを、一人ひとりいわせる。 22 問題を、時や数字でぎゅうぎゅうにしない。 23 イラストなどを入れる。 24 わかりやすく、説明をつける。 25 同じ種類や、似ている問題をしつこく出す。それで覚えさせる。 26 覚えた人にはしつこく出さない。 27 プリントを、「スピード」、「何問」、「ていねいさ」の三種類を少しず つつくって、三冠王をつくる。 28 問題交換(自分でつくった問題を、人にわたす。 29 人からもらった問題を解く 30 問題づくりをする。 31 神経衰弱みたいにしてやる。 32 先生がくるまでやる。 33 先生がきたら○をつける。 34 前の日やったぷりんとをやって、どのくらいできるか試してみる。 35 Q&Aのように、だれかが(係が)やる。 36 日直が係をやる。 37 だれかが前に出て、問題を出す。 38 教え合う。 39 わける(わからない人、できる人をわけて教える)。 40 もしプリントが終わってしまったら、わからない人に教える。 41 スピードを競う。。 6 フラッシュカードにする。 42 制限時間をだんだん短くする。プリントをテストにする(テストだとやる 氣が出る)。 43 テストみたいにし、何点かとらないといのこりみたいにする。 44 プリントは終わるまでではなく、しっかり時間を決めてやらせる。 45 係を決めてやる。 46 百人一首のようにしてやる。 47 百人一首のように読む札(問題)取る札(答え)をつくる。 48 100マス計算をやる。 49 簡単な計算をやらせる。 50 うるさくなったら、リーダーを決めてやる。 |
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しかけて待つ 配慮を要する子の指導 私ならどう指導するかを考えました。 まずは、その子を見て指導法を考えます。プレッシャーをかけてもいい子だったら、どんどんかけます。 しかし、ガラスのように繊細な子(例えば、私のように ワハハハハハ )には、とことん過保護にします。といって、甘やかすわけではありません。 教師は、とかく結果を求めがちです。すぐに、極端にいえば、その日のうちに結果を出そうとします。しかし、子どもの成長は、すぐにというわけにはいきません。 その子が、少しずつ進歩するように、たくさんのステップを踏むでしょうね。 プリントすら取りに来られない。これがスタートです。0です。ここから指導が始まるのです。 親しい子と話せるだけでもいいじゃないですか。それを、だんだんと増やしていけばいいのです。 グループを、そのこのために作ります。親しいこと一緒にさせます。 それでできるようになったら、一人だけ、次に親しい子に変えます。 このようにしていますか。 いきなり全員の前でいわせようとしていませんか。 待つ といっても、いろいろあります。私の考える待つとは、しかけて、「結果が出るのを待つ」ということです。何もしないということではありません。このへんは、勘違いしている人が多いようです。 うまくいかないときは、ステップが粗いのです。水泳でいえば、顔を水につけられない子に、25メートル泳げといっているようなものです。 その子を見て、そのこのできるところから取り組むべきでしょう。 私は、好き嫌いをなくす指導で、「スプーン一杯牛乳を飲む」ことから始めました。もちろん、一杯といっても、一滴、一滴、二滴というように、ほんの少しずつ増やしていったのです。1年かかりましたが、その子は牛乳を飲むようになりました。 これくらい時間をかければ、その子も「クラス全員の前で発言する」ようになると思います。 ステップをもっともっと細かくしてあげてください。 その子は、つらいのです。 いいたいけどいえないのです。 どうしていいかわからないのです。 先生に救いを求めているのです。 先生が助けてくれないので困っているのです。 悲しいのです。 できない これはつらいです。できる人にとっては何でもないことで悩んでいるのです。 「えーっ、こんなことができないの」ということで悩んでいるのです。 ステップを細かくしてください。 とりあえず、1つのステップを10以上に分けてください。 できたら100くらい。これくらい細分化すれば、その子は変わりますよ。絶対に。 |
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自分の尺度 手のかかる子の指導 どうしても自分の尺度で考えてしまうようです。 これくらいできて当たり前だろうという思いがあるのです。 相手(子ども)の立場に立つ 難しいですね。 保育園に通うようになった娘は、赤ちゃんがえりをしています。自分でできることをやってもらいたがります。食事、着替え、おしっこなど。これには手を焼いています。休みの日、1日中やられるとさすがに切れてしまいます。 情けない話ですが。 さぞかし保母さんは大変だろうと思います。 我が子を見ると、ふつうのことをふつうにやるのが当たり前ではないと感じます。 天は、そのことを私に伝えたいのでしょう。私が当たり前だと思っていること が当たり前ではないということを。 学校づくりは、そう甘くないということを教えたいのでしょう。 わかっているつもりなんですけど、腹が立つのです。 相手の元氣がなくなるようなアプローチは結局自分の負担になるので得策といえません。 それがわかっているのに、感情を抑えられないのは、まだまだ未熟だという証明です。 その人が、自分で氣がつき納得し、自分から行動を変えるようにしなければい けないのですね。 |
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子どもの可能性を引き出す
○聴く力を育てる授業 すべてに聴くを位置づけて実践している。 今年度は、聴く+α、聴く→行動をテーマにして実践している。 子どもたちの聴く態度は、よくなってきている。 聴こうとする意識も感じられる。持ち上がりということもあり、さらなるレベルアップを図りたい。 聴く+α ・アクティブリスニング →よいところを見つけて聴く、積極的に聴く、真剣に聴く。 ・聴くの裏側 →聴き手を意識して、聴き手に自分の思い→イメージが伝わるように音読する、歌う。 ・クオリティをあげる →ほりさげて聴く。相手を理解したいという思いを持って聴く 聴く→行動 発言、音読・歌を聴いて →感想・意見を述べる、肯定的評価をする、自分の発言、音読や歌に活かす。 ○私の授業 子どもの力を育てる授業 子どもたちが自分の頭で精一杯考える、仲間と意見を交流し、よりよいものを創造していく そんな授業を目指している。 1「四次元ポケット」 今回の授業は、私流にいうと「四次元ポケット」の授業である。 この考え方が身につくと、考えがあとからあとから出てくる。 現杉渕学級は、まだそこまでいっていない。しかし、かなりいい線まできている 2 指名なし発言 「自ら学ぶ」ようになることについて、反対する人はいないだろう。 小学校においても、学年があがるにつれ「発言しなくなる」といわれている。 「高学年は発言しない」といわれる。 本当だろうか。 そんなことはない。 発言は、意欲の問題である。 指名なし発言の授業は、自ら授業をつくっていこうとする意欲のあらわれである。 指名なし発言のよさ 自分から立って発言するので、積極的に授業にかかわる。→意欲 指名権は、教師でなく子どもにある。→主体性 教師に指名される授業の場合、どうして今自分が指名されたのか わからない。 指名なし発言の場合、今何をいったらいいか、今自分はいうべきか、少し待つべ きかなど、いろいろと考える。 指名なし→挙手指名は簡単にできるが、挙手指名→指名なしはできない。 ○すべての教育活動を通してやっていること ・家庭学習の習慣づけ ・基礎学力づくり ・基本的な力を身につけさせる。 見る力、聴く力、話す力、書く力、考える力、行動する力 ・学習の態度の養成 ノート指導、見方・考え方、授業の進め方など |
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基礎・基本の力を育てる 授業案 2000年6月7日(水) 第5校時 授業者 杉渕鉄良 6年1組 男子13名、女子8名 計21名 ◆基礎・基本について まずは、実践する。その中で、いろいろと考えていきたい。 「生きる力」(すべてに活用できる力)の基礎・基本とは何か、それをどう身につ けさせるか模索中である。 小学生の段階で必要なのは、 やる氣 挑戦する姿勢 素直さ ていねいさ 集中力 ねばり など。 基礎学力をつけることにより、これらの力を育てていきたいと考えている。 子どもの実態 持ち上がりでない6年生。 やる氣は十二分にある。 大きな声が出る。 学級全体で、やろうという意欲がある。 友だちが困っているときは、だれかが声をかける。 いい行動をしたときは、自然に拍手がおこる。 ちょっと難しいこと、時間がかかることに対しては、尻込みしてしまう傾向がある。 現在の取り組み あいさつ、その他、基本的行動様式 10マス計算…たし算、かけ算、100マス計算…たし算、かけ算 漢字…1年生、2年生の漢字、6年生の新出漢字(読み) 音読…一文読み、表現読み 歌 リコーダー 絵 ノートの使い方など。 キーワード スモールステップ 工夫 バリエーション バラエティー 簡単なことを身につくまでくり返す 楽しくゲーム感覚で授業 時間の設定 能力フル活用 ポイント(指導のポイント) 1年生レベルからやる。 初歩の初歩からやる。 できるところからスタート 簡単なことをやり、成功体験をさせる。 →自信を持たせる。 やる氣にさせる。 すてに共通する土台となる力(ていねいさ、スピード、集中力など)をつける。 スモールステップ→少しずつ(音読は一行、計算は10題など) 答えを教える、ヒントを教える 教師の言葉かけ→やる氣を出すか、失うか 厚みをつける→手を変え品を変え、定着させるようにする。 まだスタミナがないので、パッと活動をかえる。 1つの活動時間を短くする(3分〜15分くらい) 変化のあるくり返し(楽しい反復練習)。 視点
以上、3つの視点で実践している。 成果 少しずつ力がついてきている。やる氣になってきている。 ※「論より証拠」授業を見てください。 課題 継続していくこと。 教師が指導を工夫することで、ほとんどの問題が解決する。同じことをやっても、結果が天と地ほど違ってくる 演出など、子どもの意欲を引き出す工夫が必要 のらせること やりたいと思わせること おもしろいと思わせること 実力が伸びたと実感させること 今回の授業にあたって 今回の授業内容 1 あいさつ 2 計算 3 漢字 4 音読 5 歌 6 リコーダー ◆すべての基礎・基本 現在重視しているのは、すべてにおける基礎・基本である。 それは、3つの構えである。 3つの構え
これが、今回見ていただきたい点である。 心構え…やる氣 挑戦しようという氣持ち 一生懸命やろうとする 向上しようとする 身構え…姿勢 (背筋を伸ばす) 例 足裏をぴたっと床に着ける。 親指の付け根に重心をかける。 背中に、1本線(柱)がはいったことを意識する。 あばら骨を少し持ち上げるようにする。 舌先を上あごにつける。 瞼に力を入れる。 唇をくっつける。 お尻の穴をしめる。 頭に本を載せ落とさないようにする。 物構え 教科書の出し入れ…準備、片づけ、取りかかり、切り換え 着替え 給食準備の取りかかり チャイムが鳴ったと同時に行動 授業も、すぐ始める。すぐ終える。 それぞれ基礎・基本 1 あいさつ 立ち方、姿勢 大きな声 目を見て 2 計算 簡単なたし算、引き算、かけ算 3 漢字 読みと書きをわける 4 音読 立ち方、姿勢 腹式呼吸 相手意識(誰に聴かせるのか) 5 歌 立ち方、姿勢 腹式呼吸 発声…歌う声(地声と歌う声の区別) 表現…イメージ 6 リコーダー 立ち方、姿勢、ホールド ふき方…呼吸、腹筋を使う、息の使い方 タンギング 表現 |
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技術の発見 技術は生まれる。 目の前の子どもから生まれる。 子どもを伸ばしたいという強い思う。 どうしたら、この子はよくなるかよーく見る。 観点を決めて細かく見る(細分化してみる)。 見続けると見えてくる。 技術がパッと浮かぶ。 (例)10マス計算を上達させる技術 観点を決めて分析していく。 ・できないのか 遅いのか ・スピード不足の分析 漠然と「遅い」と見ている限り、問題は解決しない。何が遅いのか分析してみる(※ 「100倍細かく」が有効である)。 ここでは、4つの観点から分析してみる。 ・心のスピード… やる氣、意欲が十分でない。 ・頭のスピード…スタートの集中力、取りかかりが遅い。計算するのが遅い。 ・目のスピード…途中で、どこをやっているかわからなくなる。 いちいち問題を見ている(縦軸、横軸両方の数字を見ている)。 ・手のスピード…書くスピードが遅い。答えを一つ書くたびに、手が浮く。 このような観点で分析すると、見えてくる。子どもによって、計算が遅い原因が違うことがわかる。 ↓ それぞれの対策を練る。 心 やる氣の問題である。 子どもの場合、いかに乗せてしまうかが勝負である。 やる氣にさせる方法 いろいろ やりたいと思わせる。 こうすれば上達するという見通しを示す。 具体的な上達方法を教える。 いっしょに練習する。 ほめる、はげます、共感する。喜ぶ。 頭 あらかじめ、カードによる練習で計算力をつけておく。 用意のときに、すでに頭で計算させる(超フライング)。 目 どこを見るかを教える(計算している一問先を見る)。 できるようになったら、もっと先を見させる。 指で見させる。→人差し指を使う。どこをやっているかわかるようにする。 手 手を浮かさないようにさせる(紙から離れるとタイムをロスする)。 子どもの持って、いっしょにやる。これくらいの速さだと、体感させる。 それ以外に グッズ 計算用紙(マスの大きさ、左きき用プリント) マスの大きさ…1pくらい 低学年はもう少し大きい方がいい。 左利き用…これだと問題が(手で)かくれない。 鉛筆(種類 削り方 数) 種類……ユニがいい、濃さは、2Bくらいがいい 削り方…とんがっていないもの 数………2本用意しておく(折れたときのため) ↓ スピード不足の子を具体的に指導する ・できているところとできていないところを指摘する。 ・手を取っていっしょにやる。 ・ポイントを教える。 ・あらかじめ答えを書かせる。考えさせる。やらせておく (ハンディキャップマッチ) ・カードの活用…カードをつくる。表に問題、裏に答えを書かせる。 それを覚えさせる。 その子に合わせて指導していく。 →いいところを伸ばす。弱いところを伸ばす。 技術の発見 どうしてもこの子を伸ばしたい。 強い思いが技術を生み出す。 思いの表現が技術なのである。 血と汗と涙を流して、技術を発見しよう。 |
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スピード 学級づくりの重要な視点 スピード、学級づくりの重要な視点です。 根幹といってもいいでしょう。 しかし、現場では軽視されがちですね。 5分でできることを1時間でやる… 5分でできることを5分でやる… 1回につき、55分の差がつく… これが1か月たったら… ものすごい差になるでしょうね。 時間がかかりすぎていることに氣づいていない… 先延ばし「まあ、いいだろう」「そのうち」 問題は解決しません。 スピード軽視の信仰を取っ払いましょう。 取りかかりのスピード 授業の開始。 ざわついた教室、日直がいいます。 「静かにしてください」 よけいに、ざわざわ。 静かになったと思ったら、違う班がざわざわ。 なかなか授業が始まりません。 そのうち、全体が崩れてきた… このようなことは、ありませんか。 パッと授業が始まればだれません。 取りかかりのスピードですね。これは。 私の場合、すぐにはじめます。だれる間を与えません。 「静かになるのを待っている」 すばらしいとは思います。 しかし、ほとんどの場合、教師が雰囲氣をくずしています。 高度なことは、もっと後でいいのではないでしょうか? 漢字の学習。 プリントを配ります。 班の代表が、取りにきます。 きた順に配ります。早い者勝ちです。 プリントをもらったらすぐに始めていいのです。 2年生レベルの漢字100題、5分でやらせます。 配り終わったら、スタートボタンを押します。 ストップウオッチで時間を計ります。 子どもたちは、集中してやっています。 教室は、驚くほど静かです。 2年生の漢字の復習です。 ほとんどの子が簡単にできます。 しかし、5分で100題やるとなると違います。 最初は、できません。3分の1もいきません。 「あれっ、簡単にできるっていったんじゃないの?」 自分の実力のなさに愕然とする子どもたち。 やっていくうちにスピードがついてきます。 パッと取りかかるようになります。 集中してやるようになります。 「ゆっくりでいい、ていねいにやれば」 ということをよく聴きます。 そんな人に限って、実際には、 「はやくしなさい」 と、子どもをせきたてています(笑) できることは、すばやくやるほうがいいのではないでしょうか。 着替え 着替えをさせます。 黙っていると10分近くかかりませんか。 体操着を取りにいくまでに時間がかかります。 取ってきてから、しゃべっています。 なかなか着替えません。 大好きな体育の時間が少なくなるのに… わかっていませんね。 体育が終わりました。 また、着替えです。 たらたらやっていると、次の授業に食い込みますね。 これが続くと…1年間でどれくらいロスが出るでしょうか。 着替えの指導を始めます。 教師と競争させます。 「よーい、どん」 私は1分くらいで着替えます。もちろん、きちんとたたむまでやっての話です。 子どもたちはびっくりします。あまりにも速いからです。 一回見ると、どれくらいのスピードかわかります。イメージできます。 しばらくは、教師もいっしょに着替えるといいでしょう。 「着替えます。2分でできたら合格です」 「よーい、どん」 もちろん、教師がダントツで一番です。 「先生、ずるいよ。体育着持ってきてるんだもん」 「じゃあ、君たちも持ってきておけば?」 「いいの?」 「いいですよ」 次からは、あらかじめ体育着を用意している子が増えます。 子どもたちの動きは、だんだん変わっていきます。 着替えに対して意識も変わります。 「先生、洋服のたたみ方教えて」 「どうやったら、速く着替えられるの」 と、いいにくるようになります。 脱ぎ方 たたみ方などを教えます。 低学年の場合は、毎日やるといいと思います。 着替えが速くなると、学級が変わります。 帰りの支度 着替えが速くなると、学級に変化が起こります。 雰囲氣が変わってきます。 活氣が出てきます。メリハリがついてきます。 着替えのスピードを、他のことに転化させましょう。 着替えが速くなった子は、意識、行動が速くなります。 帰りの支度にスポットを当てます。 「よーいどん」 タイムを計ります。2分以内にさせます。 うまくできない子には、教えましょう。手伝いましょう。 はじめは、教師がやってあげるといいですね。 問題は、手順です。うまくできない子は、手順がわかっていないのです。 段取りがわかってくればできます。 高学年の場合は、考えさせます。 教科書・ノートなどをそろえてから鞄をとりにいくか 鞄をとりに行ってから、教科書・ノートをそろえるか どうしたらパッと帰りの支度ができるか、段取りを考えさせます。 やることによって、考える力もついてきます。 「すごいねー、帰りの支度も速くできるようになったね」 うんとほめます。 帰りの支度は速くなるのが早いですね。 早く帰れるからでしょう(笑) 能力フル回転という感じです。 帰りの支度、やればやるほど速くなります。 高学年だったら、1分くらいでできるようになります。 (低学年 2分、 中学年 1分30秒くらい) こうなったら、次に進みます。 次は、授業の準備とかたづけです。 授業準備 着替え、帰りの支度とステップを踏んできました。 次は、授業の準備です。 これができるようになると、授業がしまります。 しかし、現実はそう甘くないようです。 ある中学校の話です。 A先生は、いつも遅れて授業にいきます。 生徒たちは、おしゃべりしたり、教室から出てふざけていたり… 「何やってるの。授業はもう始まっているでしょう」 といっても、生徒はいうことを聴きません。 授業を始めるまでに10分以上かかるそうです。 同じ学校のB先生は、授業5分前に教室に入ります。 時刻になる前に、生徒たちは席に着き教科書、ノートなどの準備をし ます。 チャイムと同時に授業が始まるそうです。 同じ学級で、反応がこうも違ってきます。 いったいだれの責任でしょうか? B先生のように、「教師が先にいって待っている」というのが大切だと思います。 先生がきている、待っているとなると、子どもたちの意識は変わってきます。 授業前に、教科書・ノートを用意するようになります。 学習の構えができるのです。 授業準備とは、(まずは)教師サイドの準備です。 準備とかたづけ 大きなポイントですね。 これが軌道に乗ると、学級がしまってきます。 授業時間が3倍に増えたように思います。 「速さ」のイメージ 教師が、授業準備をきちんとするようになったら、子どもの番です。 「はやくしなさい」 といっても、速くなることはありません。 あせるだけで終わってしまいます。 あわてるだけで終わってしまいます。 子どもたちは、「速く」がイメージできません。 「速く」は、何のことを指しているのでしょうか。 教師自身がわかっていないと思います。 手を動かすスピード(ハンドスピード)ですか。 指示された後の行動(着手のスピード) 頭の回転ですか。 意識ですか。 ちょっと考えると、わからなくなります。 子どもは、もっとわからないでしょうね。 混乱するのは、もっともだと思います。 私の場合、「速く」とは何のスピードかを考えさせます。 ほとんどの子が、答えられません。 イメージできないのです。 教えます。 この場合は、取りかかりのスピードです。 遅い学級は、ここが遅いのです。 しゃべる、ふざけるなどをして、動き出さないのです。 取りかかりのスピードがかんじんです。 ハンドスピード 取りかかりが速くなったら、次はハンドスピードです。 「速くしなさい」 といっても無駄です。 教師のいう速さがイメージできないからです。 まずは、やってみせます。 教科書とノートを机の中から出します。 1秒以内にやります。 「先生、速い!」 子どもたちはビックリします。 何回かやります。 どれくらい速いかイメージができます。 次は、体感です。 スピードを体感させるのです。 どれくらい速いか。 体感させない限り、速くなりません。 感覚を身につけさせる練習をするのです。 最初は、10秒で用意する練習をします。 だんだん、速くしていきます。 間延びすると、だれます。 雰囲氣がだれたものになるのです。 一度だれると、修正するのは難しくなります。 スピードが命です。 机の中がめちゃくちゃになっている子はできません。 探しているうちに10秒たってしまいます。 こういう子は、教師がそろえてやります。 一番上に、ノートの中に教科書をはさんでやります。 ゆっくりしている子の場合、手を取ってやります。 何回かやっていくうちに、スピードの感覚がわかってきます。 トレーニングで、かなり速くなります。 どうしたらパッと用意できるか工夫するようにもなります。 これがおもしろいです。 ※授業の入り、終わりにどれだけ無駄があるでしょうか。 考えたことはありますか。 ひどい授業だと、20分間のロスがあります。 普通でも10分くらい。 つまり、中身が少なくなるのです。 ゆったり見えて速い 帰りの支度が始まります。 最近は、パッと鞄をとりにいくようになりました。 Hくんは、最後にとりにいきます。 動作は、ゆったりしているように見えます。 しかし、支度が終わるのは、いつも一番なのです。 不思議に思いました。 あんなにゆったりしているように見えて速い理由は? その日の職員室。 「忙しい」 と動いている方がいます。 本人は、せわしく動いているのですが… ちっとも速いと感じません。 ミスをして、何度もやり直します。 手順を間違え、何度もいったりきたりしています。 「忙しい、忙しい」 忙しいと思っているのは本人だけ。 周りの人が、迷惑します。 トータルでは遅いのです。 的が外れているのです。 見通しを持って行動していないのです。 次の日、Hくんの動きを追いかけてみました。 みんなが鞄をとりにいっているときのことです。 Hくんは、教科書とノートを机の上に出してそろえていました。 最後に、鞄をとりに行きます。 なるほど、こんでいるときにはいかないのです。 すいてくるころを見計らっていくのです。 鞄をとってくると、さっと教科書とノートを鞄に入れます。 流れがあります。 動きによどみがありません。 止まりません。 スムーズです。 ゆったりしているようで速いのです。 見通し 段取り 流れ などがしっかりできているのでしょうね。 目は、動きのスピードに向きがちです。 しかし、スピードとはトータルなものなのです。 本当に速いとは、見た目にゆったりしているのですね 普通にいわれる「ゆっくり」は、ゆっくりではありません。 のろいだけです。 速くできるのに、わざとスピードを落とすのを「ゆっくり」というのです。 スピードがあるのは、氣持ちがいいことなのです。 メリハリがついてきます。 行動が素速くなります。 学級がしまってきます。 これらは、次のことにつながります。 相手を思いやる 相手の時間を大切にする スピードの根本は、ここにあると思います。 |
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表現力を伸ばす 【表現の三要素】 ・心 「やってみたい」(やる氣)、「伝えたい」(思い) ・解釈 イメージ ・技術 基礎技術、表現技術 【前提】表現する前提 学級づくり ・失敗しても笑われない。 →子どもが解放されている。 ・自分を受け入れてもらえる。 【学級創り】授業で学級づくり 協力しよう、そろえようという意識がないとそろわない。 学級が育ってくると、自然に声がそろうようになる。 【呼吸法】 腹式呼吸 すべての基本 腹から声を出す。 丹田に意識をもっていく。 【息がいい】息る力 呼吸法(腹式呼吸) 息の使い方…一氣に、少しずつ、長く、ためて 【支える】 声を支える。 腹筋の使い方 【ボイスチェンジ】 地声からの脱出→「音読の声」「歌う声」 ※地声では、コントロールできない。 【声のコントロール】 緩急…急に変化、少しずつ変化 強弱…極端に、上げ下げ まあるく、やわらかく、ふくらませる。 【相手意識】相手に伝わる表現 声を届ける、思いを届ける。 目を見て、想像して、エネルギーを送る。 言葉にエネルギーを乗せて 【視点】 自分と相手 両方の視点が必要。 自分では表現しているつもりだが…相手に伝わらない。 自分の視点でのみやっているから。 相手に伝わるように表現する工夫を。 【表現技術】 音読編 ・会話文、地の文の区別 ・前□後 その文の前、その文の後が重要 ・リードと残心 ・役づくり ・強調 ・間 ・イメージ ・効果 ・目の動き 全体→焦点化 強める、弱める 目で表現する。 ・流れ なめらかに読む。流れるように読む。 言葉と言葉のつなぎ。 「つなぎ」が勝負。 【バリエーション】 ・読み方各種 ・音読方法各種…音読、表現読み、高速読み、響き、暗唱、古典、ステレオ 指名なし 一斉、グループ、個人 【システム】 教材 やさしいものを 短時間 毎日 くり返す 何度も 上達度チェック 一人ひとり すごく厳しく、すごくおもしろい。 バリエーション 具体的、わかりやすい。 【いつでも音読、どこでも音読】 文章題、社会科の教科書など。 【表現技術】 歌編 ・姿勢、立ち方 ・呼吸法(腹式呼吸) ・歌う声 ・声を前に出す→飛ばす→届ける ・声を広げる ・響かせる ハミング チェック…鼻、頭頂、胸など ・当てる ・息の使い方 ・声のコントロール ・声を支える ・リードと残心 ・強弱 ・ため ・流れ…音をつなぐ、言葉をつなぐ ・イメージ |
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ある音楽雑誌の原稿 杉渕鉄良 言ってはいけない! レッスンでの子どもたちへの禁句集 −こう言い換えようアドバイス付き− みなさん、レッスンは思うようにいっていますか。 子どもがうまくならない、練習してこない、何度いってもわからない… 「練習しないなら、ピアノやめなさい」 「どうして、できないの」 「下手くそ!」 思わず禁句が飛び出すことがありますね。 指導者の情熱、思いがからまわりする…一生懸命教えているのに、効果がない…逆 効果…こんなに悲しい、くやしいことはありません。 でも、大丈夫です。一工夫で、禁句ががらっと変わります。子どもを伸ばす言葉に変わります。 そのポイントをお話ししましょう。 ●うまくいかないのはだれのせい 「あなた、どうしてできないの」 「ちゃんと弾きなさい」 いらいらする気持ちは、よくわかります。子どもが練習してこなかったときなど、なおさらですね。 冷静になって考えてみましょう。 こういって、子どもはよくなるでしょうか。 なりませんね。 ストレス発散にはなりますが、子どもはよくなりません。ますますダメになります。 どうしてでしょうか。 それは、マイナスの暗示をかけているからです。 いえばいうほど、言葉どおりになってしまうのです。 子どものやる氣を失わせているのは、あなた自身です。 そのことに氣づいていますか。 自分で子どもをダメにしておいて「子どもが悪い」…と思っていませんか。 ☆ポイント ・子どもをだめにしているのは指導者 ●自分のことを忘れてる 子どもは、自分を愛してくれる人、大事にしてくれる人のいうことはよく聴きます。 「できないと、すぐに泣くんだから」 ちょっと待ってください。 あなただって、できなくていらいらしたことがあるでしょう。もうまくいかなくて何かにあたったこともあるでしょう。 自分のことを棚に上げて、子どもを責めていませんか。 この子は、思うように弾けなくって悔しいのです。 「わかるわ。○○さんの氣持ち。私も思うように弾けなくって、悔し泣きしたことがあるわ」 といいましょう。 自分もこんなことがあった…この子もそうなんだなと思ってみましょう。 共感するのです。 レッスンのスタートは共感です。 ☆ポイント 共感から指導は始まる。 ●音に敏感、言葉に鈍感 1 プラスの言葉とマイナスの言葉 生徒になって考えてください。 練習をさぼったとします。 先生に言われました。 A「また練習してこなかったの」 B「練習しないでここまで弾けるなんてすごいわ。これで練習したらすごくうまく なるわ」 Aのように言われても、しかたがありません。練習しなかったのですから。でも、このように言われて、やる氣が出ますか。練習しようと思いますか。思いませんよね。 Aは、マイナスの言葉です。子どものやる氣をうばい、子どもの心を曲げる言葉です。使えば使うほど、子どもをだめにします。 では、Bのようにいわれたらどうですか。 Bは、プラスの言葉です。子どもを素直にさせたり、やる氣にさせたりする言葉です。 練習してこなかったことを、少しもとがめません。逆に、ほめています。期待しています。さぼった子が素直に反省、やる氣になって練習する言葉です。 言葉一つで、こうも違います。同じ内容でも、受け手の感情は、180度違います。 あなたは、マイナスの言葉を使っていませんか。 マイナスの言葉は、ぐさっと心を切り裂きます。 子どもの心に入りません。 プラスの言葉は温かくスッと心に入ります。 プラスの言葉を使いましょう。 子どものいいところを見つけましょう。 「そんなことを言っても、あきっぽいし、努力しないし、乱暴に弾くし…この子は一 つもいいところがないわ」 いい点は、見つけようとしなければ見えません。 考えてみて下さい。あなたが自分の生徒に 「すぐ怒るし、教えかたは下手だし、この先生は一つもいいところがない」といわれたらどうですか。いい氣持ちがしますか。ムカッとしませんか。「一つくらいはあるでしょう」といいたくなりませんか。子どもだって同じなのです。 悪いところは、よく見えます。見ようとしなくてもどんどん目に入ってきます。悪いところを指摘しても、子どもはよくなりません。 いい点に目を向け、ほめましょう。プラスの言葉をかけましょう。 ☆ポイント プラスの言葉を使う。 子どものいいところを見つける努力をする。 2 よくわかる言葉 自分がわかっているから子どもわかっているだろう と思うのは早計です。 例えば、子どもが『きらきら星』を練習しているとします。 小さい子を言葉(だけ)で指導するのは難しいですね。 A「氣持ちを込めて弾きなさい」 なんていっても、子どもには何のことかわかりません。 まず、イメージさせる言葉かけをしましょう。 B「星はいくつくらい見えていますか」 「星は何色ですか」 「星ははっきり見えていますか」 「どこから星を見ているのかな」 「星は、近くに見えるのかな。遠くに見えるのかな」 「星は大きく見えるのかな。小さく見えるのかな」 などです。 もうひとつ例をあげましょう。 『トルコ行進曲』の指導例 強弱をつけさせたいとき 「遠くから聞こえてきました だんだん近づいてきます 目の前で演奏しています だんだんはなれていきます 遠ざかっていきます」 ☆ポイント 子どもの論理、感覚にあった言葉を使う。 イメージさせる イメージをふくらませる。 言葉って大事ですね。 ピアノのタッチだけでなく、言葉のタッチも考えてくださいね。 それでは、いろいろな具体例をもとに考えていきましょう。 ●やる氣をなくすか、やる氣になるか 運命のわかれ道 1 うまく弾けないとき1 ×「ダメ、ダメ、ダメ」 ○「こことここができたわね。次は、ここよ」 ×は、自分は正しい、子どもが悪いという図式です。子どもを責めています。 自分の指導を振り返っていません。指導があって、子どもの今があるのです。できないのは、指導が悪いと考えましょう。 否定からは、何も生まれません。部分否定しているようでも、子どもにとっては、自分そのものを全面否定されている感じがするのです。ピアノの技術のみならず、人間そのものを否定されている氣になるのです。そのことに氣づいてください。 わかっていても、否定されると心は閉じてしまいます。心が閉じたら、指導者の言葉は耳に入りません。 ☆ポイント 否定しない。 ちょっとでもできたところをほめる。 できているところとできていないところをはっきりさせる。 次はここ と明確な課題を与える。 ×「なぜ弾けないの?」 ○「こうすると、弾けるようになるよ」 うまく弾けたらピアノ教室にはきません。うまく弾けないから、あなたが必要とされるのです。うまくなる方法を教えましょう。 ☆ポイント 否定せず、方法を教える。 その子にあった方法を考える。 2 練習してこないとき ×「練習してこなかったの? なぜやってこなかったの!」 ○「先生といっしょに練習したかったのね。うれしいわ」 ×のようにいってしまう…氣持ちはわかりますが、こんなことをいっても、効果はありません。相手のミスをとがめているからです。練習してくるのが当たり前だという意識があるのではないでしょうか。 前提を変え、練習してこないのが普通だと思いましょう。 「先生も、練習がいやだな と思うことがあるわ」 という共感が、子どもの心を開きます。 共感が、レッスンのスタートです。 それから「いっしょに練習しましょうね」といえばいいのです。 大事なのは、子どもを責めることではありません。 「練習しよう」という氣にさせることです。 ☆ポイント 相手を責めない。 共感する。 いっしょにやる。 3 子どもの反応がにぶいとき ×「どうして先生のいうことがわからないの?」 ○「どこがわからないの」 自分がわかっているのだから、子どももわかるはずという認識を変えましょう。 あなたは、子どもがよくわかるように、表現しようとしていますか。 いわれたけれど、よくわからなかったことがあるでしょう。 理解しようとしても、よくわからないことがあるのです。 いえば伝わると思うのは、早計です。 表現の工夫がないと伝わらないのです。 伝わらなければ意味がありません。 ☆ポイント わからないのを前提とする。 子どもがわかる表現を考える。 4 なかなか先に進まないとき ×「まだ弾けないの?」 ○「ここまで弾けるようになったのね。えらいわ」 ×は、指導者の基準で見ています。 すぐできる子もいれば、マスターするのに時間がかかる子もいるのです。 その子に合わせて基準を設けてください。 ちょっとの進歩を喜びましょう。 ☆ポイント 自分の基準で判断しない。 少しの進歩を喜ぶ。 5 宿題曲を練習してこないとき ×「テレビの曲じゃない、そんなの練習してきなさいって先生言った?」 ×「弾きたい曲ばかり弾いてたら、うまくならないのよ」 ○「自分で弾きたい曲を選んだのね。やる氣があるわね」 ○「○○と練習すると、あなたの弾きたい曲が弾けるようになるわよ」 子どもは、テレビの曲が弾きたいんです。 興味あるものは、チャンス。それを教材にしてみましょう。 ☆ポイント 子どもが興味あるものを教材にする。 その教材を活かす。 次は、何氣ない一言が子どもを傷つけている例です。 1 うまく弾けないとき ×「○○ちゃんは手が小さいから……」 ○「ピアニストにも手が小さい人はいるわ」 ○「手の大きさなんて、いくらでもカバーできるわ」 ☆ポイント 身体的なハンディは口にしない。 2 いつまでたっても弾けないとき ×「大人になれば弾けるわよ」 ○「がんばって弾こうね。きっと弾けるようになるわ」 ○「こういう練習をしてみましょう」 ☆ポイント あまりにも長期的な目標はやる氣を失わせる。 今を大事にする。 3 なかなか進まないとき ×「○○ちゃんは、◎◎を弾いているわよ」 ○「あなたには、あなたのペースがあるわ」 ○「人と比べる必要はないわ」 人と比べてはいけません。また、比べる必要もありません。競争しているわけではないのです。その子のペースで指導しましょう。 ☆ポイント 人と比べない。 その子の成長過程を見る。 4 曲を決めるとき ×「◎◎ちゃんは男の子だから、元気な曲が好きよね」 ○「どんな曲が弾きたいの」 ☆ポイント 一方的に決めない。 子どもの希望を聴き、相談して決める。 次は、言っていることが伝わらない例です。 1 言ったとおりに弾けないとき ×「ちゃんと楽譜通りに弾きなさい」 ○「ここのところの指使いが違っているわよ」 「ちゃんと」の意味がわかりません。 「楽譜通り」の意味もわかりません。 何のことをいっているのでしょうか。 ・テンポ ・音の強弱 ・リズム ・指使い 言ったとおりに「弾かない」のではなく、「弾けない」のです。 ☆ポイント 焦点を絞って指摘する。 2 何度指導しても子どもの弾き方が変わらないとき ×「もっとよく聴いて!」 ○「○○の部分を聴いてみて。2回弾くからね。比べてみて」 ○「1回目と2回目の弾き方は、どこが違いましたか」 ☆ポイント 比較して考えさせることも有効。 ×「もっときれいな音を出しなさい」 ○「(2通りの弾き方をしてみせて)どっちがよかった」 ○「『どんどん』ではなくて『とんとん』よ」 ○「鈴が転がったような音を出してみましょう」 「きれいな音」ってどんな音でしょうね。 指導者はわかっていても、子どもはわからないのです。。 わかったとしても、どうしたらきれいな音が出せるか、わからないのです。 「鍵盤をたたくのではなく、そっとノックしてごらん」 「鍵盤から、音の響きを指に伝えてごらん」 ×「もっと歌って弾いてごらんなさい」 ○「わくわくしている感じをだすにはどう弾いたらいいかしら」 ○「わくわくしている感じを出すために、手でスキップするように弾いてごらん」 ○「鍵盤のトランポリンで、ジャンプするように弾いてごらん」 ☆ポイント 先生が見本を見せる。 まねさせる。 考えさせる。 イメージさせる言葉をかける。 ×「フォルテ(f)は強く! ピアノ(p)は弱くでしょ!」 ○「強さにもいろいろあるわね。力が強い、意志が強い、思いが強い…この場合は どんな強さでしょう」 ○「フォルテのときは、重心を前にして(体重を前にかけて)弾いてごらん」 「フォルテのときは、体重を指にかけてごらん」 「フォルテのときは、指の力を鍵盤に伝えましょう」 「ピアノのときは、鍵盤の力を指に伝えましょう」 ☆ポイント 重心(体重)の移動。 指→鍵盤、鍵盤→指に力を伝える 3 なかなか脱力できないとき ×「手首(あるいは肩の)の力を抜いて!」 ○「はい、手をぶらぶらー。お化けの手で弾いてごらん」 ○「今、お風呂に入っています。ゆったりしていい氣持ちー、こんな感じで弾いて ごらん」 ○「あなたは、空に浮かんでいます。雲の中をふーわふわしています」 ☆ポイント リラックスした状態をイメージさせる。 (お化け、水の中、雲の中など) いかがでしたか。言葉かけ一つで、子どもの反応は180度違ってくることがわかっていただけましたか。 子どもの心を開く言葉かけをしてくださいね。 心を開くのも一言 心を閉じるのも一言です。 子どもを活かすのも言葉、殺すのも言葉です。 最後に、大切なことをまとめてみます。 ■発想の転換(見方・考え方を変える) 自分ができるのと教えるのは違う 子どもを責めても何も変わらない。子どものせいにしない。 どの子もよくなりたい、うまくなりたいと思っている。 やらないのは「できない」というより「わからない」から。 うまくいかないとき、子どもは指導者のいっていることが理解できていない。 「わかる」とは、イメージできること。イメージさせることが必要。 自分の物差しで子どもを見ないように(判断基準)。 子どもの視点で見よう。 ■共感 正義を振りかざさない。 自分にも弱い点、甘い点、ずるい点があることを考える。 共感する。 共感からレッスンは始まる。 ■相手に伝わる表現 子どもをだめにする言葉かけ、子どもを活かす言葉かけがある。 内容は同じでも、受け取り方、効果は180度違ってくる。 プラスの言葉を使う。 相手伝わるような表現を心がける。 ・子どもがころっと変わる言葉 ・やる氣をださせるプラスの言葉 ・具体的でイメージを刺激する言葉 思いを言葉という包装紙で包む。 |
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研修報告 U小学校授業参観 5年生 学習態度の基礎・基本 あいさつ、返事のしかた…全員で、一人ひとり(教師と) 声を出す。腹から声を出す。丹田に意識を持っていく。 相手に思いを届ける。目を見て、エネルギーを送る。 立ち方、腰掛け方 机やイスの音を出さないようにする。 さっと立つ。さっと腰掛ける。 号令がかかる前に準備しておく。 音読 詩「お日さん、雨さん」 全員で声をそろえて読む。 協力しよう、そろえようという意識がないとそろわない。 学級が育ってくると、自然に声がそろうようになる。 地声でなく、音読の声で読む。 地声では、コントロールができない。 声を届かせる。→聴き手に。 教材文をずっと見ない。所々見る。相手を見ながら読む。 響かせて読む。声を前に出す。天井にあてる。 一人ひとり読む 強弱をつける。 一息でどこまで読むかを考える。 「雨さんあらってくれました」→感謝していることがわかるように読む。 計算 100マス計算(たし算、かけ算)制限時間 3分。 速くするポイント スピード 心のスピード…やる氣、「これからやるんだ」 頭のスピード…パッと計算できる。苦手なところは練習する。 目のスピード…答えを書いているとき、次の問題を見る。 手のスピード…手を紙から離さない。力を入れすぎない。 ※道具…自分にとって書きやすい鉛筆、濃さを研究する。 一般的には、Uniの2Bがよい。 漢字カルタ(部首カルタ) カルタ取りゲームをしながら、自然に部首を覚えてしまう。 漢字学習に抵抗がある子も、喜んで取り組むことができる。 話し合い 「お日さん、雨さん」 一人ひとりが意見を述べる。 指名なし発言。教師に指されて立つのではなく、自分から立つ。 自主的に学習する力をつけるのに、有効な方法である。 発言はするようになってきたので、次は、話をつなげること。 体育 マット運動組み合わせ技 ロール系、スプリング系、ジャンプ系、バランス系の技を組み合わせる。 つなぎに意識を向ける。つなぎやすい技、つなぎにくい技。 はじめ・中・終わりの構成を考えさせる。 SOHRAN 動きのポイントを教える。 型を決める。 研修会 一人ひとりを育てる。 毎日、毎時間一人ひとりに声をかける。 ほめる、はげます、アドバイスする。 少しの進歩を見つけてほめる。 力の弱い子に対しては、一緒にやる。 荒れている子は、心が満たされていない。 その子の心のコップを「愛」という水で満たしてやる。 あふれ出るくらい「愛」を注ぐ。 本氣でほめる、本氣で叱る。一緒に笑う、一緒に泣く。 その子に共感する。 このようにしていけば、学級崩壊はおこらない。 意識の改革 「わかる」と「できる」のズレ 「わかる」ことと「できる」ことは違う これを教える。意識させる。 「わかる」→「できる」ようにするのが学習の第2段階(第1段階は「わかる」こと) 表現 自分と見る人(聴く人) 両方の視点でやることが必要。 自分では表現しているつもりだが、相手には伝わらない。 相手に伝わるようにするためにはどうするかを考えさせる。 システム 子どもたちが、自分たちの手で学習できるシステムをつくる。 何をやればいいか、どこをやればいいか、どうやればいいかがわかる。 見通しがあると、さっと学習できる。 困ったときどうするかがわかる…友だちに聴く、先生に聴く、調べるなど。 総合的な学習の例 メディアリテラシー→今回は、情報の選択 事実と意見をわける。 題材、テロを取材した新聞記事。 新聞社によって、視点が違うことに氣づかせる。 少なくとも、2社以上の記事を読む。 自分の意見を持つ。 無駄を省く 今、学級、その子にとって一番大切なことに焦点を当てる。 そこから切り込む。 あれもこれもやると、どれも中途半端になってしまう。 まずは、1つのことだけに集中して実践するのがよい。 長い時間だらだらやらない。短時間でさっとやる。 1回であれもこれもやろうとしない。 性急に結果を求めないようにする。 何のための活動か、その意味を教える。考えさせる。 K小学校 授業参観 6年生 漢字ボーリング 漢字学習をゲーム化する。 漢字で書く部分以外のところも漢字で書いたらボーナス得点。 ボーナスがあることで、子どもたちは漢字を調べるようになるそうだ。 100マス計算(あまりのあるわり算) 指導をはじめて3回目ということだった。 まだ、速くできない。 計算したら、答え合わせをする。 子どもたちだけで学習を進めるシステムができている。 話し合い 教材 「ロシアパン」 指名なしで、自分の考えをどんどん発表していく。 最初は、発言がかみ合わない。 徐々にかみ合ってくる。 共通の話題になったところで話し合いになる。 自分と人の意見の違い、その差を大事にする。 「おかしい」というのではなく、どうして違うのかを考える。 「どうしてそうかんがえたの」 と聴くようにする。 相手の考えをわかりたい、という意識、重いが必要。 自分の意見を受け止めてもらえることにより、子どもは安心して発言するようになる。 |
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学級経営部会公開授業 指導案 国語科学習指導案 日時 平成14年9月13日(金)5校時 場所 板橋区立新河岸小学校 学級 2年1組 男子18名 女子11名 計29名 指導者 杉渕鉄良
1.研究主題設定の理由 今日の急激な科学や情報の進歩は、驚くほど私たちの生活を変えてきている。社会が便利さ豊かさを追求していく中で、子どもたちを取り巻く環境はめまぐるしく変化している。「いじめ」「引きこもり」「虐待」「学級崩壊」「家庭崩壊」等、胸が痛む問題が今多く報告されている。豊かな物や便利さに溢れた生活の中で、子どもたちは、考えたり、工夫したり、自分の力で解説したりすることが不得手になり、また我慢することも苦手になってきているようである。低学年から、自分の思い通りにならないことに苛立ち、他人に当たったり、登校を渋ったり、心の未熟さが様々な現象として現れてきている。高学年では多岐にわたる情報のわりに、家庭や地域などの人とのかかわりが希薄であり、現象も複雑になってきている。 そこで、本研究部では、子ども一人一人の心の成長が重要であるととらえた。すなわち自分をよく見つめ直し、自分自身のよさを発見するとともに、友達と温かく関わり合うことによって、子ども一人一人の心を豊かにすることができると考え、本主題を設定した。 2.単元名『スイミー』 3.単元について 『スイミー』は、ドラマチックな物語である。子どもたちは、スイミーに共感しながら読み進めていくだろう。この話を通して、プラス思考、知恵と勇氣、行動力を学ばせたい。また、自分たちの学級にどう活かしていくか、考えさせたい。 本単元では、グループ音読を導入する。グループごとに、どのように読んだらいいかを話し合い、練習し、発表する活動をメインにしたい。その過程で、自分のよさ、友だちのよさ、力を合わせ1つのものを創っていく喜びなどを感じさせたい。 4.単元の目標 場面の様子や登場人物の心情を読みとることができる。 場面の様子や登場人物の心情を考えて音読することができる。 5.研究主題との関連 子どもたちにとって「お互いに温かくかかわり合い」「豊かな心を育む」場は、あらゆる教育活動や生活の中に見つけることができる。 今年度は、授業で「お互いが温かくかかわり合い」、「一人一人に豊かな心が育つ」学級創りに挑戦中である。 なかでも、表現活動を重視している。 【音読】 みんなでやる氣持ちよさ いっしょに読むことで、一体感を味わう。 グループで音読することで、友達とかかわり、助け合う、それぞれの個性、よさが発揮できるといい。 【指名なし発言】 みんなでつくりあげよう。 ゆずり合って発言する。 どうしてもいいたいときは、ゆずってもらう。 友だちに、ありがとうの氣持ちを示す。 6.児童のよさと可能性 子どものよさ ・パワーがある ・エネルギーがある。 ・感性がある 1学期途中から、何にでも挑戦しようという意欲が出てきた。 「ぼくはできない」という言葉が辞書からなくなった。 このやる氣を、増幅させたい。 教師の指導次第で、どこまでも伸びる可能性を持っている。 2学期、男子1人転出、女子2人転入。新しい集団でのスタートである。 長い休み明け、思ったより力は落ちていない。 1学期やってきたことが、身についている。 しかし、取りかかりに時間がかかったり、集中力が持続しなかったり、おしゃべりをしたり、力が落ちている個もいる(5人)。 心・頭・体を、少しずつ、1学期後半の状態に戻していきたい。 7.学級経営上の観点から 私の学級創り ポイントはただ1つ、子どものやる気を引き出すこと。 真のやる気を引き出す(無限力の覚醒)、これにつきる。
・認められる、励まされる、ほめられる ・伸びる、向上する 成功体験をさせる どの子も輝かせる ・できる、わかる、やった! ・役に立つ ・協力して1つのことを成しとげる ↓ 存在価値 役割 自信 前提 精神が安定していなければ、真のやる気は出てこない。 その子にとって学級が安定した場所であることが、大前提であろう。 2つの関係(信頼関係) その子と教師(先生に、認められている。ほめられる、励まされる)…縦糸 その子と学級(クラスメイトに、認められている、励まされる) …横糸 成功体験が突破口 自己否定しては、もっている本来の能力を開花できない。なぜなら、自分でブレーキをかけているからである。成功したところだけを頭に焼きつけるのがいい。 成功体験をさせる その子の興味あるところから、得意なところから切り込んでいく。 その子が、少し努力すれば手が届く課題を設定する。 成功体験を積ませるために 教えるべきことは教える。…見通し、手段や方法 小さな成功体験を積ませることが大切である。 その子の光る一点を見つける。 ↓ 認める・ほめる・激励する。 ↓ その子に応じた指導(指示、アドバイス、いっしょにやるなど) ↓ 成功体験をさせる。 ※これを、一人一人におこなう。 小さな成功体験が積み重なると、自信が出てくる。教師にいわれなくても、違うことに対しても「やってみようかな」ということになる。苦手なことにも挑戦し始める。 波及 その子のやる気を増幅させる→学級に波及させる。 お互いの成長を共に喜ぶ。 いいものを出し合う。助け合う。高め合う。 クラス全員のやる気を育てる。 全員がやる気になると、驚くべきことが起きる。 一人一人を伸ばす 荒れている学級の場合、集団の雰囲気をよくすることから。 「おもしろい」「楽しい」「できそう」「できる」 自信を持たせる。 力を引き出す。 本校の教育目標 ・よく考える子ども ・ねばり強くやりぬく子ども ・なかよく助け合う子ども ・明るく元気な子ども 学年目標 ・基礎学力をつける ・「学習習慣」を身につけさせる。 ・お互い助け合う子を育てる。 学級目標 ・やる気のある子を育てる。 ・何にでも挑戦する子を育てる。 目標達成のための基本的な考え ・授業による学級創りをおこなう。 ・一人一人を伸ばす。 その子のよさを伸ばし、弱い点を強くする授業をする。 「できた!」「わかった!」という成功体験を通して、自分のよさ、友だちのよさ、 集団で学ぶ意味などを教えていく。 ◆今回の授業の位置づけ 学習・生活リズムをつくる期間(2学期最初の2週間) 子どもたちの力を元に戻す 転入生2人を学級に慣れさせる。 ◆グループ音読の導入 初めての試み。力を合わせることの難しさ、楽しさを体感させたい。 ◆学級創りの三層(全体・グループ・個) 音読と話し合いに盛り込む。 これらをうまくミックスさせることにより、一人一人、学級集団を伸ばす。 全 みんなに支えられて力を出せる。 合わせないとうまくいかない。 やらなくても、ごまかせる。 グループ 力を合わせる、話し合いの必要性 自分の思うようにはならない。 ゆずり合い よりよいものを創る 個 頼れるのは自分 ごまかせない 8.学習計画(7時間) 1時 オリエンテーション(第1場面を使って) 導入…グループ音読、指名なし音読 2時 書き込み 15分×3回 気づいたこと、考えたことを書く。 3時 第1場面 楽しくくらす赤い魚たちの様子、スイミーの特徴を読みとる。 4時 第2場面(本時) 5時 第3場面 すばらしい海の世界の様子、元気を取り戻していくスイミーの様 子を読みとる。 6時 第4場面 大きな魚を恐れる魚たちの様子、前向きに考えるスイミーの行動 を読みとる。 7時 第5場面 スイミーと魚たちの、苦労、追い出したときの喜びを読みとる。 9.本時の学習(第4時) 本時の目標 第2場面の様子、スイミーの心情を読みとることができる。 ・楽しい生活が一瞬で奪われた恐怖と悲しみ ・仲間を奪われ自分だけが生き残ったスイミーの心情 場面の様子、心情を考えて音読できる。 グループで話し合い、協力して練習、発表する。
評価 第2場面の様子、スイミーの心情を読みとることができたか。 場面の様子、心情を考えて音読することができたか。 グループで話し合い、協力して練習、発表することができたか。 |