学校を動かすもの


 
  学校を動かすもの

   6年生は、単に一番上ということではありません。
   他学年と決定的に違います。
   それは、学校を動かすということです。
   うまくいっていない学校は、6年生が育っていません。
   うまくいっている学校は、6年生が育っています。
   下級生は、6年生の行動を見ています。
   悪いことは、すぐにまねします。
   いいことは、10すると、1まねします。
   とにかく、絶大なる影響を与えます。
   多くの場合、このような認識がありません。
  
   杉渕学級の場合、昨年度1年間はキャプテンになるための修行期間。
   1年かけて準備してきました。
   それが、入学式に出ました。
   初仕事、立派におこないました。
  
   予告
   委員会が、月曜日から始まります。
   ・学校をよりよくするための活動
   ・長で、90%決まる
   このようなことを話しました。
   ○○委員会をやりたい…ではなく、学校をよくするために働く…
   広い視野で見ることが必要だということも話しました。
   委員会は、極端な話、何でもいいのです。
   学校をよくするための活動が、たまたま○○委員会なのだ
   という発想です。
  
   今までと、発想をガラッと変えなければ、キャプテンは務まりません。
  
  2日目
   委員会についての話し合い。
   長は、立候補で決めました。
   大切なのは、やる氣です。
   今の杉渕学級に、口だけの子はいません。
   行動が伴っています。
   不足している点は、みんなでカバーすればいいでのです。
  
   初めての委員会までに、
   ・役を決めておく。
   ・やりたいこと、やるべきことをピックアップしておく。
   ・その他いろいろ準備。
   初委員会で「どうしましょう」ではないのです。
   あらかじめ、準備してのぞむのです。
  
   私が担当したときは、オリエンテーションを行っていました。
   5,6年生全員を集め、話をします。
   その場で、長を決めさせます。
   話し合いをさせます。
   効果絶大です。
   このようにすると、委員会によるばらつきが出ません。
   周りを見ると、他の委員会が話し合っています。
   それが、お互いに刺激になるのです。
   委員会ごとに教室で話し合うと…こうはいきません。
  
   長が決まりました。
   役も決まりました。
   活動について話し合いました。

今日は、初めての委員会活動。
   前の学校では、次のようにおこなっていました。
   ・全員を体育館に集めます。
   ・オリエンテーション。
   ・「委員会活動の意味、意義」
    →学校をよりよくするために進んで働く
   ・各委員会にわかれ自己紹介。
   ・役割決め(委員長、副委員長、書記)
   ・活動計画
  
   ここまで、すべて一堂に会しておこなうのです。
   いい雰囲氣になります。
   お互いに刺激し合うからです。
   
   6年生は、あらかじめ準備をしておきます。
   ・役職決め…だれが委員長になるかなど。
   ・自己紹介も考えておきます。
   ・どんな活動をしたらいいかも考えておきます。
   ※私が6年生担任だと、上記のことができるのです。
   事前準備がしっかりしていると、スムーズに進みます。
   少なくとも、6年生は全員が発言します。
   5年生が意見を述べないときはどうするか
   これまた、あらかじめ考えておきます。
   普通にくらべれば、かなり緻密な準備です。
   学校を動かすためには、必要なことですね。
  
   今回は、それができませんでした。
   いきなり、各委員会ごとに集まります
   上記のことは、学級指導ですませておきました。
   あとは、6年生にお任せです。
  
   結果は、上々だったようです。
   学級では頼りない子が、委員長。
   委員長という肩書きがつくと、しっかりしますね(笑)
   えらい違いです。
   人間肩書きが大事(笑)
  
  明日は、1回目の校内研究会です。
   5年1組の先生と私が授業を公開します。
   いずれも、チャレンジタイムの公開です。
   1:55〜2:10 5年1組の授業
   2:10〜2:25 6年生(杉渕学級)の授業
  
   5年生は、クラス替えをしています。
   立ち上げの授業です。
  
   6年生は、持ち上がり3年目。
   マンネリの授業(笑)
   いえいえ、がんばりますよ。
   学校を動かすために!
  
   ◆本日のメニュー
  
   1 歴人カルタ
   2 百人一首
   3 漢字
     ・書き順
     ・読む読む
     ・はんたーい
     ・部首
     ・難読
     ・四字熟語
   4 計算
     ・唱和
     ・班対抗10マス計算リレー
   5 音読
     ・教科書の音読
      算数、理科、社会
     ・超高速読み
     ・表現読み
      『創造』(扉の詩)、『カレーライス』
  
今日は校内研究会。
   新しくきた方々に、チャレンジタイムの授業を見ていただきました。
   私の授業は下記の通りです。
  
   ◆本日のメニュー
  
   1 歴人カルタ
   2 百人一首
   3 漢字
     ・書き順
     ・読む読む
     ・はんたーい
     ・部首
     ・難読
     ・四字熟語
   4 計算
     ・唱和
     ・班対抗10マス計算リレー
   5 音読
     ・教科書の音読
      算数、理科、社会
     ・超高速読み
     ・表現読み
      『創造』(扉の詩)、『カレーライス』
  
   15分間でどのくらいできるか。
   レパートリーの多さ。
   がポイントです。
  
  「圧倒された」
  「テンポが速い」
   などなど。
   みなさん、大きな衝撃を受けたようでした。
   ・無駄な時間がない。
   ・子どもたちの集中力。
   ・その他いろいろ。
   ある程度力がついている学級だからできることです。
  
   学校を動かす授業になったでしょうか?

学級のパワーアップ
   持ち上がり3年目。
   鮮度0(笑)
   賞味期限は切れていますね。
   新しいことに取り組まないと、マンネリ化しやすいです。
  
   今、杉渕学級では新しいことに取り組んでいます。
  
   ・6年生としての取り組み
   ・歴人カルタ
   ・五色百人一首
   ・ユニット授業
     算数、体育
   ・イニシアチブ
   ・その他いろいろ
  
  「持ち上がりは、楽でいいでしょう」
   よくいわれます。
   とんでもありません。
   苦しいです。
   
   担任も、学級も変わらない…
   環境が変わらないのです。
   変えるのは、自分。
   子どもたちにとっても苦しいのは同じです。
  
   新しいことのメインは、6年生としての取り組みですね。
  

 ◆ユニット授業
   ちょっとずつ軌道に乗ってきています。
   算数という枠で考えず、もっと小さな枠で考えます。
   現在の授業例
   ・唱和
   ・公約数、最大公約数
   ・公倍数、最小公倍数
   ・通分
   ・分数のかけ算
   ・平均
   ・まとめ
  
   上記では、45分を7つのユニットで構成します。
   普通の授業とどう違うのでしょうか。
   これは、実践した人でないと実感できません。
   まずは、実践してみてください。
  
 ◆ユニット授業 2
   体育も、ユニット授業です。
   ・ボールコントロール(10種くらい)
   ・ドリブル(10種くらい)
   ・シュート(5種くらい)
   ・ストレッチ
   ・技(子どもによって違います。ハンドスプリング、ブリッジなど)
   ・リレー(5種くらい、そのときによって違います)
   ・持久懸垂
  
   いずれも、おもしろいです。
   ユニットにすると、子どもたちの集中力が違いますね。

 それぞれの授業を明確に!
  
   ・歴人カルタのシステム
  
   このカルタには、級があります。
   今は、最初の級(8枚)を実践しています。
   これから、1枚ずつ増やしていきます。
   ※今は、慣れる段階なので8枚で実践しています。
  
   カルタのシステムは、百人一首と変えています。
   百人一首は、リーグ戦。
   1位になると、上位リーグに上がります。
   4位(最下位)になると、下位リーグに落ちます。
   歴人カルタの場合は、班でおこなっています。
   
   1位になると、抜けます。
   2回戦は、3人でおこないます。
   そこで1位になった子が、抜けます。
   3回戦は、2人でおこないます。
   そこで1位になった子が、抜けます。
   4回戦は、ひとりカルタ(笑)です。
   ※ただし、全部読んだら他の子がとってもいいことになっています。
   
   このようにしていくと、順位が明確になります。
   自分の弱い部分が明確になります。
   ひとりカルタでも取れない子がいるのです。
   本人が覚えていない、覚えようとしていない…
   努力不足があらわになるのです。
  「なにやっているんだ。努力しろ!」
   とは、いわれません。
   しかし、プレッシャーがかかるのです。
  
   最後に、全員でおこないます。
  
   時間があるときは、
   5回戦…2人
   6回戦…3人
   7回戦…4人(全員)
   をおこないます。
   1回につき、30秒かかりません。
   だからできることかもしれませんね。
  
・百人一首のシステム
   
   五色百人一首をやっています。
   水色に続いて、ピンクに入りました。
   実力差を考えて、実践しています。
   一番力が弱い子に合わせます。
  
   最初は、1枚からスタートしました。
   だれでも取れますね。
   覚えていなくても、取れます。
   1枚しかないのですから。
   しかし、人生そう甘くありません。
   私が、空札を読むからです。
   よく聴いていないとお手つきをしてしまいます。
   できるようになったら、1枚増やします。
   私が読みます。
   全員で読みます。
   2枚百人一首。
   あっという間に終わります(笑)
   このようにして、3枚、4枚と増やしていくのです。
   今日は、6枚になりました。
   上位リーグは、高速です。
   水色並に、速く取れます。
  
   少しずつ枚数を増やしていくのは、王道ですね。


 ◆特活オンパレード!
  
   最近は、特活オンパレード。
   主催と6年担任、指導系統が2つある点が難しいです。
   大成功したときは、系統は1つです。
   よく知る担任が指揮をとると成功します。
   一部しか知らない人は、子どもをうまく動かすことはできません。
   ※学校を動かすという意味です。
  
   今は、指揮者ではありません。
   裏指揮者(笑)
   子どもたちに事前指導しています。
  
   ・委員会
   ・クラブ
   ・縦割り班
   ・その他
  
  「6年生お願いします」
   お願いされること
   お願いされないが、自主的にしていること。
   たくさんあります。
   会場の椅子出し、セッティング、後かたづけ…
  
  「氣づかないところで、人のお世話になっていることがあります」
  「たくさんあります」
   6年生がしていることに氣づく人は、少ないです。
   「あたりまえ」という感じです。
  
   しかし、かなり大変ですね。
   今、仕事が重なってきています。
   たとえば、
   ・集会委員会の練習…昼休み
   ・縦割り班の班長会議…昼休み
   ダブルブッキングしています。
   このへんは、担当で調整すべきでしょうね。
  
   指揮させてほしいものです(笑)
  
 ◆クラブで
   
   オリエンテーションをおこないました。
   事前準備をして送り出したのです。
   これをするかしないか、大きな違いです。
  
   クラブで学校を動かす…
   このような発想は、一般的ではないかもしれません。
   しかし、私の中では、重要なファクターなのです。
  
   クラブで学校を動かす…
   子どもたちは、首をかしげます。
   関係性がわからないのです。
   無理もありませんね。
   自分が好きなことをするのがクラブ
   子どもの自主性に任せるのがクラブ
   だと思っている限り、上のような発想はありません。
  
   ・キャプテンとしてのあり方
   ・活動内容
    年間計画
   自分たちが楽しむ、上達する。
   それだけでなく、みんなのためになる活動をする。
   このような視点を教えました。
   指導しました。
  
   まだ、指導は始まったばかりです。
  
  ◆縦割り班活動
  
   新河岸小学校には、縦割り班があります。
   1〜6年生で構成します。
   全部で10班あります。
   班は、A、Bの2つの班で成り立っています。
   たとえば、1班。
   ・1班のA班
   ・1班のB班
   という構成です。
  
   それぞれ、6年生が所属。
   班のリーダーを務めます。
   
   ・災害があったときの集団下校
   ・仲よし班遊び
   ・お弁当給食(班ごとに食べる)
   ・全校遠足
  
   まだ、3年目。
   活動が根づいているとはいえません。
  
   ようやく機能し始めたというところでしょうか。
  
   現在、班の顔合わせ、全校遠足に向けて取り組んでいます。
  
   6年生は、5年生の終わりからリーダーシップをとっています。
   最後の児童集会(縦割り集会)は、6年生の代わりを務めました。
  
   リーダーになると、今までのようにはいきません。
   お客さんでは、活動が成り立たないのです。
   企画から活動まで、すべて考えなくてはいけません。
   しかも、うまくいって当然だと思われるのです。
   うまくいかない場合は、6年生の責任になるのです。
   割が合いませんね。
  
   うまくいくようにもっていくためには、入念な準備が必要です。
   子どもたちは、まだこのへんが実感できていません。
   「なんとかなるだろう」程度の認識の子がいます。
   実際に活動をして、初めてわかるのです。

 ◆キャプテン
  
   6年生は、学校の顔です。
   6年生を見れば、その学校の教育力がわかります。
  「6年になると、発言しない」
  「6年になると、歌わない」
  「6年になると、仕事をしない」
   という人もいますね。
   とんでもありません。
   きちんと育っていれば、そんなことはありません。
   6年生は、5年生の10倍以上もすごいのです。
   わずか1年ですが、決定的に違います。
   それは、キャプテンシーがあるからです。
  「自分たちが学校をよくしていくのだ」
   という自覚、自負があるからです。
   キャプテンなのです。
  
   ですから、「6年生は、○○しない」と否定する人は…
   子どもを育てていないのです。
  
   まずは、意識改革でしょう。
   ※これが一番難しい仕事かもしれません。
  
 ◆表の行動
  
   キャプテンとしての行動は、2つあります。
   表の行動、裏の行動です。
   表は、よく見える行動です。
   (例)朝会での態度、歌、声などなど。
   だれにでもよくわかるところです。
  
   ・進んであいさつをする。
   ・きちんと整列をする。
   ・聴く態度がいい。
   ・声を出す(歌など)。
   ・掃除をまじめにする。
  
   などです。
  
   下級生は、実によく見ています。
   6年生の言葉ではなく、行動を見ています。
   いや、肌で感じているといってもいいでしょう。
   自分たちにふさわしいリーダーかどうか?
   無意識のうちに、値踏みしているのです。
   ※教師も同様ですね(笑)
    下級生→子ども、6年生→教師
    に置き換えて読んでください。
  
   6年生になってから急に行動を変えようとしても無理です。
   普段着物を着ていない人が、○○式だけ着物を着る。
   なんか、違和感がありますね。
   それと同じです。
   自然ではないのです。
  
   普段行動していれば、特別なことをする必要がありません。
   かっこうつける必要がありません。
   そのままでいいのです。
  
   さて、杉渕学級はどうでしょうか。
   いつも、上のことはやっています。
   だいぶ身についてきましたね。
  
   下級生との差は、大きいです。
   とくに…

 ◆裏の行動
  
   キャプテンとしての行動は、2つあります。
   表の行動、裏の行動です。
   裏の行動は、見えない行動です。
   氣づかれない行動です。
   ・廊下や階段を掃除する。
   ・ゴミを拾う。
   ・壁をきれいにする。
   ・体育館のかたづけ。
   ・椅子出し、かたづけ。
   ・その他いろいろ。
  
   下級生には、わかりません。
   しかし…これが伝わるのです。
   空氣感染(笑)
  
   表の行動は、目につきます。
   人に評価されます。
   裏の行動は、見えません。
   人に評価されません。
   人の目を意識している人は、決して裏の行動をしません。
  
   裏の行動は、氷山の隠れている部分です。
   裏の行動が、表の行動を支えているのです。
  
 ◆朝会でのあいさつ
  
   月曜日は、全校朝会。
   6年生が、代表であいさつすることになっています。
   2年前は、一人ずつやっていたようです。
   声が大きな子、小さくて聞こえない子、さまざまでした。
   昨年は、数人の子がかわりばんこにやっていました。
   声はよく出ていました。
   しかし…
   どちらも、私としては不満でした。
   杉渕流は、
   ・一人ひとり(全員)
   ・大きな声
   だからです。
  「声が大きければいいというものじゃない」
  「元氣がよすぎるのは…」
   という人がいます。
   はたして、そうでしょうか。
   朝一番のあいさつです。
  「今日も一日やるぞ!」
  という氣持ちをあらわすのがあいさつではないでしょうか。
  
   杉渕学級は、順番に代表になっています。
   みんな、声が出ています。
   声が大きいです。
   普段やっていることですから、特別練習などしません。
  
   朝一番のあいさつで声を出すって、とても大切なことだと思います。
  
 ◆態度
  
   朝会での態度。
   6年生は、群を抜いていいです。
   手前みそではありません。
   事実です。
   看護当番の先生も、6年生のことを絶賛しました。
  
   最上級生が一番立派。
   考えてみれば、あたりまえのことです。
   しかし、現実は…
   そうでない学校が圧倒的に多いですね。
  
   6年生の態度がよければ、下級生の態度もおのずとよくなります。
  
   杉渕学級の子どもたちは、影響力を自覚しつつあります。
   6年生は、芸能人のようなものです。
   また、スポーツ選手のようなものです。
   他に与える影響が大なのです。
  
   いつも見られているという意識を持つ。
   最上級生として、忘れてはならないことですね。
  
   意識が人を成長させます。

 ◆歌
  
   主に校歌です。
   朝会で、校歌を歌っています。
   きちんと歌っている学校は、どのくらいあるでしょうか。
   ある中学校では、ほとんどの子が歌っていません。
   えらそうなことをいっているのに、この現実(笑)
   新河岸小、最近はよく声を出すようになってきました。
   もちろん、歌う声です。
   しかし…まだまだですね。
   前の学校は、児童数130人でしたが、もっと声が出ていました。
   新河岸小は、260人。
   倍もいます。
   まだまだ、一人ひとりが全力を出しているとはいえません。
   ※休み明け、朝一番は厳しいのですが…
  
   最上級生は、みんなのお手本にならなければいけません。
   声を出すこと。
   これにつきます。
  
   休み明け、朝一番に声を出すには…
   前の学校での話。
   杉渕学級(6年生)は…
   ・朝、登校前に声出しをしてくる。
   ・登校したら、声出しをする。
   ・朝会前に、学級で練習する。
   このようにして、朝会にのぞんでいました。
  
   意識が違います。
  
   今の学級は、まだそこまでいっていません。

 ◆行進
  
   朝会の後、行進して校舎に入ります。
   数年前から始めたことです。
   ※このようにしておくと、運動会の行進練習をしなくてすみます。
  
   先頭が重要です。
   しかし…ほとんどの学級は背の順。
   一番背の低い子が先頭です。
   杉渕学級の場合は、キャプテンが先頭です。
   ※交代制
  
   行進、これも意識がポイントです。
   何も考えずに、ただ歩く。
   回数を重ねても、意味がありません。
   意識して歩くと、だんだんうまくなります。
   ・姿勢
   ・歩き方
   ・視線
   ・リズム
   などなど。
   行進で学べることは、たくさんあります。
   1週間に1度でも、かなりの練習になります。
  
   杉渕学級では、教室にはいるまでが行進です。
   普通、上履きに履き替えたところで崩れますね。
   おしゃべりが始まります。
   それをさせません。
   なぜって?
  「家に帰るまでが遠足です」
   これと同じ理屈です(笑)

 ◆掃除
  
   昨年度の4階は、静寂という言葉がぴったりでした。
   掃除時間の話です
   5年生(杉渕学級)と6年生は、おしゃべりをしません。
   黙々と掃除をします。
   5年生、6年生の教室は、とても静かでした。
  
  「楽しくおしゃべりしながら掃除をしてもいいでしょう」
  という人もいます。
  「掃除がはやく終わったら、遊びに行ってもいい」
  という人もいます。
   人によって、考え方は違います。
   それは、それでいいのです。
  
   私の場合は、掃除を通して子どもを育てています。
   
   10年以上前のことです。
   森信三先生の本に出逢いました。
   先生は、場を清める ということで、掃除を重視されていました。
   鍵山秀三郎さんの本に出逢いました。
   『凡事徹底』という本です。
   掃除道といってもいいほど、掃除を重視されています。
   その哲学は、すばらしいと思いました。
   私は、当時、掃除を初めて10年ほどだったころでした。
   しかし、まわりの目は、冷たかったのです。
   異端児でした。
   鍵山さんは、掃除を続けて30年。
   その苦労がかかれていました。
  「自分は、まだ10年じゃないか」
  「あと、20年かけよう」
  と思いました。
   
 掃除道
  
   島に赴任してからは、1日何時間掃除をしたでしょうか?
   朝、公園、砂浜などへいき、ゴミを拾います。
   学校へいき、掃除をします。
   教室、廊下、その他いろいろ。
  「この先生、おかしい」
   子どもたちにいわれました。
   靴をそろえる、かさをそろえる…
   そうこうしているうちに、学級の子どもたちは動き始めました。
  
   荒れていたクラスでした。
   机はぼろぼろ、教室もゴミだめ…
   毎日、私がきれいにしても、すぐ元通り。
   振り出しに戻るのくり返しでした。
  
   あるとき、子どもたちは動き始めたのです。
   私といっしょに、掃除。
   壁ふき、トイレ掃除など。
   進んで行動し始めました。
  
   それから、何年もかけて学校をきれいにしました。
   窓、体育館のギャラリー、その他いろいろ。
   隅々まできれいにしました。
   

 掃除道 2
  
   掃除、靴そろえ、傘そろえは、私の日課でした。
   子どもたちも、毎日続けました。
   
   毎日続けていると、習慣になります。
   自動的に体が動くようになります。
   少しずつですが、同僚も動き始めました。
   靴をそろえたり、掃除をしたり…
   学校が変わり始めました。
  
   全校遠足でも、全員でゴミ拾いをするようになりました。
   わがクラスは…
   放課後、浜、村中のゴミ拾いをしました。
  
   掃除をすると、すべてが変わってきます。
   どのように変わるのか?
   それは、実践した者のみが体感できることです。

 掃除道 3
  
   今の学校でも、掃除は続けています。
   最初は、かっこつけだと思われます。
   しかし、1年も続けていると、だれも何もいわなくなります。
   ※いつもそうですね。
   1年たつと、子どもたちも掃除をするようになります。
   イメージが焼き付きます。
   掃除する意味がわかってきます。
   自分が掃除をすることで、氣持ちがよくなります。
   こうなると、黙ってするようになりますね。
   喧噪の中、掃除をしているところもありますが…
   静寂の中、掃除をします。
   まわりがうるさくても、関係なくなります。
   集中しているので、氣にならなくなるのです。
  
   そんな姿を見ている下級生がいます。
   いっしょに掃除をしたときは、びっくりしていますね。
   あまりの違いに。
   黙々と掃除をする子どもたち。
   下級生が遊んでいても、注意しません。
   ただただ、黙って活動します。
   その姿を見て、多くの下級生はきちんと掃除をします。
  
 掃除道 4
  
   掃除は、奥が深いです。
   これでよしというものではありません。
   毎日のくり返し。
   場を清め、心を清める…
   掃除を続けていると、何かが変わってきます。
  
   本当は、学校ぐるみで、自問清掃に取り組みたいです。
   実現したら、すごいことがおこります。
   すばらしい学校になります。
   しかし、実現は難しいです。
   だれもが、掃除にウエイトを置くわけではないからです。
  
   杉渕学級も、3年目。
   そろそろ、パワーアップしてもいいころです。
   歴代の子どもたちは、もっとよく働きました。
   今の子どもたちは、これからですね。
  
 ◆全校遠足
  
   5月2日は、全校遠足でした。
   6年生は、1年生と手をつないで歩きます。
   人それぞれのペースがあります。
   いうことをきかない子もたくさんいます。
   目的地に着くまでに、疲れてしまった6年生もいます。
   途中、校長先生が声をかけていました。
  「6年生は車道側を歩くんですよ」
   そのとおりですね。
   女の子と歩くときも同様です。
   この際、強さは関係ありません(笑)
   小さな子をなだめながら、安全に目的地に連れて行く。
   それだけでも、大変なことです。
   経験して、はじめてわかることですね。
  
   この日は、夏日。
   三連休明けの悪コンディション。
   急激な暑さ。
  「疲れた」
  「まだ着かないの」
  「水飲みたい」
  「おなかすいた」
   6年生苦戦。
   笑いながら見ていました。
  

 全校遠足 2
  
   目的地に着きました。
   ここで、仲よし班にわかれます。
   ※縦割り班。
   代表あいさつ。
   思いがこもったいいあいさつでした。
   Hくんのあいさつに、みんな感心しました。
  「思い出に残る全校遠足にしたいです」
   班ごとに、遊びを始めます。
   ここでも、リーダーの行動が違います。
  
   ある班は、まず水飲みをさせていました。
   暑い中、30分以上歩いてきたからです。
  
   遊びは、どの班もよかったです。
   よく準備していたからです。
   ただし、ルール説明は、明暗がわかれました。
   説明、簡単そうで難しいです。
   子どもの場合、ちょっと説明し実際やってみたほうがいいですね。
   やってから、ちょっと説明した方がわかりやすいです
   長い説明がよくないのは、どこでも同じです。
  
   私が担当する班は、遊びを始める前に転倒した子が一人。
   アクシデントは、つきものですね。
   1つめの遊びが終わったところでアドバイス。
   給水するようにいいました。
  
   1時間以上、楽しく遊んでいました。
  「6年生がよくやっている」
   とのことでした。

 全校遠足 3
  
   遊びの後は、散歩です。
   運動広場から、弁当を食べるところへ移動します。
   時間にして、20分くらいでしょうか。
   ここからが、大変でした。
   遊び疲れたのでしょうか。
   低学年の子が、いうことを聴かないのです。
   ちょっと歩くと、すぐ列が崩れます。
   山登りのときは、なおさらでした。
   どの班も、苦戦していました。
   いいことですね(笑)
   ただ歩くだけなのに、こんなに難しいとは…
   6年生だれもが思っていたことでしょう。
   ただ歩くだけ。
   間隔を開けずに歩く。
   あたりまえのように思えますが、高度です。
   間隔を開けずに歩いている…それだけで実力がわかります。
   

 全校遠足 4
  
   班ごとにお弁当を食べます。
   ここでも、苦戦している班がありました。
  「ぼく、班で食べたくない。○○くんと食べたい」
   だだをこねる子がいるのです。
   6年生、怒ることなく、なだめていました。
   これは、結婚してから役立つでしょう(笑)
   一人で食べようとしている子がいます。
  「いっしょに食べよう」
  「一人で食べるからいい」
  「そんなこといわないで」
   一人の女の子(6年生)が、その子のところへいき、荷物を持ちました。
   みんなの中に連れていきました。
  「あっ、箸がない」
   ある子(1年生)がいいました。
   班長は、自分の割り箸を半分に折りました。
   長い方を、その子にわたしました。
   本部にいけば、予備があるのです。
   でも、あえていいませんでした。
   その子の思いやり、行動がうれしかったからです。
  
 全校遠足 5
  
   集合。
   1年生から順番に、集合写真を撮ります。
   待っている間に何をさせるか…
   6年生は、ゴミ拾いをしました。
   赤塚公園、かなりのゴミがありました。
   もちろん、新河岸小の子どもたちが出したゴミではありません。
   ほとんどが、古いゴミです。
   とくに、たばこの吸い殻はたくさんありました。
   私は、100本以上拾いました。
  
   ゴミ拾い後は、授業です。
   全校遠足のリーダーをやってみてどうだったか。
   指名なし発言での話し合いです。
   子どもたちは、どんどん発言します。
   ・よかった点。
   ・難しかった点。
   ・体験してわかったこと。
   などなど。
   次々に意見が出ました。
  
 全校遠足 6
  
   写真を撮ってからは、学年ごとの遊びです。
   (1、2年生は帰校)
   6年生は、
  「けいどろ」
  「どろけい」
  「どっちをするの?」
   私が子どものころは、「どろけい」でした。
   男子vs女子で、何度も何度もしていました。
   ハードですね(笑)
  
   たっぷり遊びました。
  
   帰校。
   学校に戻ります。
   ・間隔を開けずに歩けるか
   ・歩道をどのように歩くか
   ・交差点で信号待ちのときにどうするか
   周りが見えているか、まわりに対する配慮があるか
   よーくわかりますね。
   集団で歩く
   これだけのことで、多くのことがわかります。
   ・視野の広さ
   ・先を読む力
   ・まわりに対する配慮
   見ているだけでおもしろかったです。
  
   できていないときは、その場で教えました。