一人ひとりを活かす |
教育があって子どもがあるのではありません。 学校があって子どもがあるのではありません。 はじめに子どもがあるのです。 当たり前ですね。 ともすると、私たちはこの当たり前のことを見失います。 今、多くの人が「総合的な学習の時間」「新指導要領」に目が向いています。 子どもを見ていないのではないでしょうか。 原点は、一人ひとりの子どもを見ることです。 よさを見ることです。 そして、一人ひとりを活かすことです。 一人ひとりのよさを活かした教育をしたいですね。 だれでも、自分を認めてほしいのです。 |
金八先生の語り 「3年B組 金八先生」の最終回 見ましたか。 最後のほうで、金八先生の語りがあります 一人ひとりの名前について語るのです。 熱い語りです。 一人ひとりにメッセージを送るのです。 うなりました。同じことをやっている… そうです。「一人ひとり」とは、まさに「一人ひとり」なのです。 十把一絡げではありません。 「みんな」「子どもたち」「学級」… それを構成しているのは、「一人ひとり」なのです。 「先生は、私のことを見てくれる」 「氣にかけてくれる」 「先生は、私に期待している」 全員がこう思う… これって大事ですね。 学級創りの根本です。 金八先生から、あらためて教えられました。 |
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AKIRAさんのメイク 先日、「ジャスト」という番組を見ました。 家内が見ていたのですが、私もついつい見てしまいました。 「AKIRAが行く!」というコーナーです。 実におもしろかったです。 ヘア&メークアップアーティストのAKIRAさんが、一般視聴者を美しく変身させるのです。 どのように変わるか楽しみでした。 「おお−っ」 どんどん変わっていきます。 すごい変わりようです。 メイク前とは別人になります。 本当に同じ人?と思ってしまいます。 それくらい変わるのです。 すごいですね。 まさに、変身です。 クウガよりすごい(笑) 「私がこんなにきれいになるなんて」 メイクしてもらった人は、驚きます。喜びます。 自信を持ったことでしょうね AKIRAさんの確かな技術にうなりました。 これぞプロ! しかし、それ以上に感心したことがありました。 その人を見て、どのようにメイクするかを決めているのです。 私はそう感じました。 自分に合わせるのではなく、その人に合わせたのです。 その人のよさを活かし、欠点をカバーする感じですね。 よさを最大限に引き出し、欠点を最小限にする… そのための技術… 教育と似ていますね。 その子が何を求めているのか、 どこでつまずいているのか。 よく見ないといけません。 AKIRAさんに学びました。 心のメイクアップアーティストになりたいです。 |
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一人ひとりを指導 始業式の次の日。 音読指導。 教材は、「とる」(川崎 洋)という詩です。 一人ひとり読ませました。 最初は、実態把握のためただ聴くだけです。 「今、一人だけ合格。その人だけ、違う読み方をしました」 「だれだかわかりますか」 「…」 一人だけ手を挙げました。 「2回目、いきます」 同じ順番で読ませます。 「わかりましたか」 さっきよかった子が、よくなくなってしまいました(笑)。 そのかわり、ほとんどの子がよくなりました。 3回目。 最初の一人を指導します。 読み方。 くり返しの意味を教えました。 一人ひとり指導していきます。 「Aくんは、おなかの力が抜けています。そんなんじゃ、強いシュートできませんよ。シュートするつもりで読んでみなさい」 もう一度読みます。 「そう、それでいい」 おとなしそうな女の子の3回目。 「いい声です。エネルギーが出ています。指導されないのに、そういう声が出せるのは才能がある証拠です。Sさんはよくなりますよ」 その子の表情が変わりました。 「あんまりすばらしいので、もう1回読んでください」 さらによくなりました。 表情がない女の子が読みます。 「よくなりました」 「違いがわかりましたか」 「…」 「1回目は下を向いていました。2回目は、ちょっと顔を上げました。3回目は、しっかり前を見て読んだんです。それでいい」 にこっとしました。 「今の笑顔、とってもいい。ほっぺたの筋肉が上がって、表情が出てきました」 さらにいい笑顔になりました。 またまた、おとなしそうな女の子です。 「君は、声がいい。素質があります。黒板に、声をあててごらん」 読みます。 「声があたったと思う人」 だれも手を挙げません。 「途中までは、すごくよかったです。最後が、ひゅーんと落ちてしまったのが残念」 「もう一度やってみましょう」 よくなりました。 「そうです。よくなりましたよ。その調子。よくなったときは何回もやるのです。今の感じを忘れないでね」 顔ががらりと変わりました。 同じ子どもとは思えません。 体から、エネルギーが噴出しはじめたのがわかります。 「今、変わりましたよ」 「えっ?」 「今、Yさんは変わったんです。わかりますか」 「?」 「さあ、もう一度読んでごらん」 すばらしい声、すばらしい音読でした。 |
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一人ひとりのよいところを 校内研。 1回目の授業研究です。 すごいですね。連休の狭間にやるんですから。 音楽の先生と私が授業者です。 幸運な2人です(笑) 表現の授業をすることにしました。 3本立てです。
基礎の時間、リコーダーの授業です。 音楽の先生が指導します。 『星の世界』という曲の3回目。 はじめは、基本練習 ・ 姿勢 ・ ふき方 ・ タンギング ・ 響き ・ その他 「赤ちゃんに子守歌を聴かせるようにふきましょう」 とてもやさしい、きれいな音が出ました。 「遠くまで、響かせましょう」 こちらは、いまいちでした。 乱暴な音になってしまいました。 意識はしているんですけど。 (高い)ミは、音をコントロールするのが難しいですね。 次は、一人ひとりの指導です。 『星の世界』の一部分を取り上げます。 この間、10分。 今日は、どうでしょうか。 子どもたちがどれくらい成長しているか楽しみです。 結果やいかに。 予想以上の成長でした。 以下、私の感想です。
★子ども一人ひとりのいいところを見つけようと思って聴いていました。 |
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メッセージカード 毎日、一人ひとりに声をかけます。 朝、授業中、帰り、そしてノートで。 2週間に一回、子どもたち一人ひとりにメッセージカードを贈っています。 その子のよい点を書いたものです。 Aくん よく氣がつきます。よく手伝ってくれます。 先を読んで、みんなのために行動してくれてありがとう。 Bくん 音読が上手ですね。表情、いい方、よく考えています。 みんなのいいお手本になっています。 ありがとう。 Cくん 音読の声が出せるようになりましたね。 一週間で声がコントロールできるようになったのは、すごいです。 これからの成長が楽しみです。 Dさん 10マス計算、できるようになりましたね。 スピードがついてきました。 よかったね。 私もうれしいです。 Eくん 態度がすごくいいですね。 集中しています。 やる氣を感じます。 君は、伸びますよ。 Fさん アドバイスされたことを素直に聴きます。 その通りに学習しています。 みるみる力がついてきましたね。 その素直な心 すばらしいと思います。 Gさん 1年生の教室をきれいにしてくれましたね。 一人ひとりの机をきれいにしてくれました。 はき方に、心がこもっています。 ありがとう。 Hくん たんぽぽについて、すぐに調べました。 どしゃ降りの中、たんぽぽをとりに行きました。 花を1つひとつ数えて、ノートに貼りました。 すぐ行動する力 すばらしいです。 みんなに刺激を与えてくれました。 ありがとう。 Iさん 「一人で歌うのは絶対いや」といっていたあなたが… 一人で歌いました。 しかも進んで。 新しい自分になりましたね。 とてもうれしいです。 Jくん 新入生歓迎の言葉、すばらしかったです。 いい姿勢、響く声、一年生を思いやる心 6年生代表にふさわしいと思いました。 ありがとう。 こんな感じで書いています。 土曜日、一人ひとりにわたしています。 |
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年賀状に思いを込めて 学級の子どもたち一人ひとりに、年賀状を書きます。 表書き 毛筆です。 その子の成長をフラッシュバックしながら、名前を書きます。 2学期、そして4月からのいろいろなことが思い浮かびます。 裏書き その子の成長を書きます。 私の感動したその子の行動を書きます。 3学期に期待することを書きます。 具体的にはどう書くかって? それは、その子と私の秘密です。 あしからず(笑) |
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みんなの前で 毎日、一人ひとりに声をかけます。 朝、授業中、帰り、そしてノートで。 それを広げていきます。 一人ひとりのよさを、みんなの前でいいます。 帰りの会で 「給食片づけのときのことです。私が片づけていると、Aくんが、スッと自然にゴミの袋をもっていってくれたんです。1回運んでまたもどってきたのに、休み時間が始まっているのに、いやな顔ひとつせずにやってくれたんです。ありがとう」 「Bくんがみんなの机を拭いてくれました。いつもは私が拭いているんですけど、今日はBくんに先を越されてしまいました。みんなが見ていないところでやったんですよ。すばらしいですね。ありがとう」 授業中 「ちょっと見て!Cさんのノート、すごくきれいで見やすいですよ。みんな、見にきて」 Cさんのまわりに、みんなが集まります。 「きれいだね」 「うわーっ、見やすい」 「これだけきれいに書ける人は、いませんよ。すごいですね」 「Dくんの姿勢、いいですね。背筋がまっすぐです。一番エネルギーが出る姿勢です。Dくんは、大切なことがちゃんとわかっているんですね。さすがです」 「Eさんの声、聴きましたか(音読)。いつも声が小さなEさんが、大きな声を出しました。勇氣を出して、自分のからを破りましたね。よくがんばったね」 こんな感じで、毎日やっています。 |
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委員会でも一人ひとりを 2回目の委員会活動です。 私は、集会体育委員会を担当しています。 先日行われた、「1年生を迎える会」について話し合わせました。 (この集会は、集会体育委員会が企画・運営しました) まだ、子どもたちだけで進めることは難しいので、教師が進めます。 「この前やった1年生を迎える会について話し合います」 「まずは、よかったところをいいましょう。一人一言です。6年生から指名なしでいいましょう」 ・1年生をきちんと並ばせることができた。 ・クイズをちゃんとつくることができた。 ・司会をうまくやることができた。 など、個人的なことが出されました。 次は、全体です。 「1年生を迎える会全体を通してよかったことをいってみましょう」 いくつか例をあげました。 ・1年生が喜んでくれた。 ・全員握手したことがよかった。 ・全員で校歌を歌ったのがよかった。 ・アーチを使ったのがよかった。 子どもたちの意見 ・全員で校歌を歌ったのがよかった。 ・1年生もちゃんと歌えたのがよかった。 ・全員で握手したのがよかった。 ・時間通りにできた。 ・他の人たち協力してくれた。 ・メダルのプレゼントがよかった。 「次は、来年の集会体育委員に向けての話です。ここをこうしたら、もっとよくなるということをいいましょう」 ・もっとゲームを増やす。 ・全員でできるゲームをする。 ・集会の時間を長くする(今回は、20分くらい) 「それでは、最後です」 「1年生を迎えに行ってくれた人立ってください」 「Aくんは、1年生をきちんとつれてきてくれましたね。ありがとう」 拍手をします。子どもたちも拍手をします。 「楽しいクイズを考えてくれた人、Bくん、Cくん、ありがとう」 拍手。 「司会をやってくれたDくん、じょうずでしたね。ありがとう」 拍手。 「遅くまで残って、プレゼントのメダルをつくってくれたEさん、Fさん本当によくやってくれましたね。1年生がとても喜んでいましたよ。ありがとう」 拍手。 「Hくん、6年生代表で校歌を歌ってくれました。とても上手でした。さすがですね。これからも頼みますよ」 「全員立ってください。がんばった集会体育委員会の人たちに拍手」 拍手。 一人ひとりをほめました。 全員をほめました。 みんなにこにこしていました。 |
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一人ひとりの指導細案 これをつくらないと… |