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西村先生の実践「並ばせる前の一言」
K先生の実践「国語辞典の使い方」
扇元先生の実践(町長さんがやってくる 社会科 4年生)



 100倍細かくの実践です。  兵庫県の西村先生の実践です。

 まず、始業式の半日について、考えました。 特に、教室から、始業式が行われる体育館まで、 どのように歩かせるか考えました。 そうしているうちに、教室の廊下に子どもたちを並ばせる前の一言について の大切さを思い、悩んでいます。

1 「並びなさい。」
2 「静かに並びなさい。」
3 「口を閉じて並びなさい。」
4 「お話をせずに並びなさい。」
5 「ピシッと並びなさい。」
6 「忍者のように音をさせずに並びなさい。」
7 「風のように素速く並びなさい。」
8 「透明人間のように、友達にわからないくらいに静かに並びなさい。」
9 「抜き足、差し足で並びなさい。」
10「かっこよく並びなさい。」
11「誰にも負けないぐらい静かに並びなさい。
12 「考えて並びなさい。」
13「日本一、うまく並びなさい。」
14「二学期のスタートにふさわしい並び方をしなさい。」
15「一学期とは違う並び方をしなさい。」
16「静かに並びなさい。」
17「音をたてずに並びなさい。」
18「一年生に音が聞こえないように並びなさい。」
19「隣の人に音が聞こえないように並びなさい。」
20「六年生よりうまく並びなさい。」
21「三年生になったつもりで並びなさい。」
22「自分の一番好きな人に自慢できる並び方で並びなさい。」
23「世界一の並び方をしなさい。」
24「並びながら、一番並び方のうまい人を見つけなさい。」
25「自分で考えて、一番の並び方をしなさい。」
26「先生たちよりもうまく並びなさい。」
27「お父さんやお母さんがびっくりされる並び方で並びなさい。」
28「学校一の並び方で並びなさい。」
29「先生が100点をつける並び方で並びなさい。」
30「専科の先生が100点をつけられる並び方で並びなさい。」
31「あすなろ学級の先生が100点をつけられる並び方で並びなさい。」
32「なるべく短い時間で並びなさい。」
33「なるべく素速く並びなさい。」
34「なるべくまっすぐに並びなさい。」
35「なるべく100点に近づくように並びなさい。」
36「どのようにならぶのがいいですか。わかった人から並びなさい。」
37「どのようにならぶのがいいですか。わかった人は、手を挙げなさい。その人から並びなさい。」
38「どのようにならぶのがいいですか。となりの人と相談して並びなさい。」
39「どのようにならぶのがいいですか。わかった人は先生に言ってから並びなさい」
40「どのように並ぶのがいですか。発表した人から並びなさい。」
41「どのような並ぶのがいいですか。紙に書いた人から並びなさい。」
42「どのような並び方がいいですか。一つだけわかった人は並びなさい。」
43「どのような並び方がいいですか。二つわかった人は並びなさい。」
44「どのような並び方がいいですか。三ついじょうわかった人は並びなさい。
45「どのような並び方がいいですか。五つ以上わかった人は並びなさい。」
46「どのような並び方がいいですか。分かった人は、静かに並びなさい。」
47「どのような並び方がいいですか。分かった人は、音を立てずに並びなさい。」
48「どのような並び方がいいですか。わからない人は手をあげなさい。」
49「どのような並び方がいいですか。わからない人は立ちなさい。」
50「どのようなならびかたがいいですか。わからない人は、立ちなさい、わかったら座りなさい。」
51「学級代表、並べなさい。」
52「学級代表と日直が協力して並ばせなさい。」
53「だれがならぶのですか。並ばなくてはならない人、並びなさい。」
54「班長から並びなさい。」
55「じょうずに並べるという自信がある人からならびなさい。」
56「じょうずにならべられないだろうなあ・・・という人から並びなさい。」
57「男子から並びなさい。」
58「女子から並びなさい。」
59「5秒で並びなさい。」
60「十秒で並びなさい。」
61「十五秒で並びなさい。」
62「二十秒で並びなさい。」
63「赤白で並びなさい。」
64「背の順で並びなさい。」
65「来た人から並びなさい。」
66「上手に並ぶことが大切だと思う人、並びなさい。」
67「うるさい人から並びなさい。ただし、並んだらすぐすわりなさい。」
68「背筋が伸びている人から並びなさい。」
69「キチンと座っている人から並びなさい。」
70「先生の目を見ている人から並びなさい。」
71「他の人に注意できる人から並びなさい。」
72「なぜ、うるさくなるかわかる人から並びなさい。」
73「『うるささを、自分からとめてやる。』という人、並びなさい。」
74「全員がしゃべりを止めないと、やり直しです。」
75「だれかが音を立てると、やり直しです。」
76「いすならびが入れていないとやりなおしです。」
77「走って並んだ人があれば、やり直しです。」
78「オリンピックの入場のように並んでみよう。」
79「君たちならできる。どうならぶのがよいですか。わかれば並びます。」
80「あとでききます。だれの並び方がうまいか見ながら並びなさい。む
81「校長先生にほめられる並び方で並びなさい。」
82「教頭先生にほめられる並び方で並びなさい。」
83「一年生の先生にほめられる並び方で並びなさい。」
84「一年生の時の担任の先生にほめられるならびかたでならびなさい。」
85「静かに並べる人だけ並びなさい。」
86「足音を立てないで並べる人だけ並びなさい。」
87「背筋を伸ばして並びなさい。」
88「終業式が終わるまで一言もしゃべらない自信がある人だけ並びなさい。」
89「終業式が終わって、教室にかえってくるまで、一言もしゃべらない人だけ並びな さい。」
90「並ぶことで、自分を鍛えられる人は、並びなさい。」
91「2年生の並び方が一番になるように注意できる人並びなさい。」
92「ビデオにとってもらう時のように並びなさい。」
93「先生は、ビデオにとります。さあ、ならんでごらん。」
94「写真にとります。ならんでごらん。」
95「夏休みにつくった強さのわかる並び方をしてください。」
96「一等賞の並び方をしなさい。」
97「体育館での始業式をりっぱにしたい人、並びなさい。」
98「並び方と始業式か゛かんけいあると思う人、並びなさい。」
99「2学期のスタートにふさわしい並び方にしなさい。」
100「生きてきたうちで、一番いい並び方にしなさい。」

 すごいですね。この努力。
 「100倍細かく」を本当にやった人はあまりいません。
 西村先生は、実際にやってみました。3時間近くかかったそうです。
 さあ、始業式はどうなるでしょうね。(てつ)

  100の指示を考えて、夜、休んだ後、どの指示にするか、布団の中で随分迷い ました。
  朝、学校に行っても決まりません。
 子どもが登校し始めても決まりません。
  職員朝会の後、子どもたちに朝の話をしている時も決まりません。
 その後、そうじをしている時、ふっと浮かびました。

「一学期、先生は、『廊下に並ぶときは静かに並ぶものだ』と話しました。  その理由がわかる人は、廊下に並びなさい。」

 こう指示すると、パッとほとんど全員が廊下に並びました。
「理由がわかる人は手を挙げなさい。」
と言いますと、五分の一の子が手を挙げました。
「みんな、廊下に並んだのですから、理由はわかるでしょう。」
と言うと、ほとんどの子が手を挙げました。 3名あてると、
「一年生に迷惑がかからないため。」
と答えました。
「一年生がいないと静かにしなくてもいいのですか。」
多くの子が首をふっています。
「けがをするから。」
「先生の話がきけないから。」
「西村先生以外の先生の話も聞けないから。」
「静かに並ぶのも勉強だから」
と発表しまた。
  それぞれの意見をみとめました。
 そして、
「運動会練習でも、地震などがあって急いで廊下に並ばなくてはならない時も役立ちま  す。なにより、静かに並ぶと我慢する力が伸びます。」
「これから体育館に行きます。あの曲がり角でうるさくなる場合があります。そして、体育 館の渡り廊下でうるさくなります。では、行きます。」  
 途中、ワイワイ話しながら歩いている六年生と会いました。担任の先生が
「おい、静かにしろ。」
と、六年生に向かって言われました。 二年生は、そのワイワイにつられもしません。   問題の渡り廊下。しゃべり出した子に女の子が
「しー、静かに。」
と言いました。
 もちろん、体育館では一言もしゃべりません。
 正直、驚きました。 特に、六年生につられなかったということと、女の子が魔の渡り廊下で注意できたということにびっくりしました。 今までには、ないことでした。 どの子も、「自分が何をしたらいいのか」がわかっているという感じでした。
 その後、避難訓練がありましたが、整然とできました。

   西村先生の指示を支えているのは、あの100の指示です。
 あれだけ考えたからこそ、子どもたちに指示がすーっと入ったのではないでしょうか。
 私はこの記録を感動して読みました。
 あんまりうれしかったので、西村先生に電話してしまいました。       (てつ)  
                                            
 100の実践がどのように教室の実践へと反映されていくのか、 少しわかりました。  おそらく、100の実践を継続することにより、さらなる変容が期待できるのではないか と考えます。 
  自分の実践を高めるには、本を読んだり、追試したりすることしかないと 考えていた私にとって、「実践を変えるものは、周りにあるのではなく、自分の中に ある。」ということを実感として、学ばせていただきました。
  自分を信頼し、肯定し、深く掘り下げていくことによって、実践が変わっていくことを 学ばせていただきました。

 すばらしい。
 すごいことを実感しましたね。(てつ)

 西村先生は、「100倍細かく」を何度もやっています。
 その努力に頭が下がります。
 
 K先生の実践です。

国語辞典の使い方指導
 6月からいよいよ国語辞典の使い方の指導を始める。
  初期の辞典指導のポイントは,毎日行うことと意味を調べるおもしろさではなく辞典をひ いて見付けたい言葉を見付けるおもしろさを体感させることにある。
 では,どうするか。
 1 第1段階   最初は国語辞典の使い方を知る段階である。
   辞典の使い方の初歩を教える。
   主に辞典の仕組みを教える。
  五十音表を示し,言葉の配列等を教える。
  五十音が言えるように個別指導することも大事である。
  国語辞典の仕組みと並行して,「あ」「お」「け」等の一文字の言葉が辞典のどこに書いてあるか見付けさせる。
  引いているうちに,辞典のはじめに「あ」は○頁,「お」は○頁と書いてあることに子どもたちは気付き始める。
  一文字になれてきたら,今度は二文字である。
  「あし」「あか」「あめ」等,同じ「あ」のつく言葉だけを引かせると子どもたちに混乱  はない。

 2 第2段階   国語辞典になれる段階である。
  4人程度でグループを作り,お互いに3文字程度の問題を出し合い,辞典を速く引く練習をする。
  グループで練習することで辞典を引くことが楽しくなってくる。
  速く引けない子には,辞典の仕組みや使い方を再度指導する。

3 第3段階   国語辞典を道具として使いこなす段階である。
  これは,高学年でもできない子どもが多いが,しっかりと指導すれば2年生でもできる。
  いろいろな授業で出てきた言葉を辞典を使って調べさせる。
  言葉の意味を調べさせるだけではなく,自分なりの解釈も入れて発表させる。     例えば,次のようにである。
 「清涼飲料水とは,辞典に『炭酸などを含み,飲んだ時に口の中にさわやかな感じを与える飲み物』と書いてあるから,例えば,コーラやサイダーなどの飲み物だと思います。」
  このような言い方を教えることで,辞典に書いてある言葉をうのみにするばかりではな  く,自分なりにイメージを広げることができるようになり,授業の話し合いの中で積極的に辞典を使うようになり,授業に深まりができるようになってくる。
 3年生の3学期には,そのような社会や算数の授業がしてみたい。   2年生(今の5年)でもできたので,できると信じている。 

 みなさん、辞書を引かせていますか。
 辞書が使えるようになると、飛躍的に学力が伸びます。
  K先生の指導、具体的ですね。自分の解釈も入れて発表させるところは、特にすばらしいと思います。
 私の場合は、最初のころは、30秒でひかせるようにしています。
 スピードを競わせます。ゲームのようにやっていきます。
 初期の段階では、短い言葉がいいと思いますね。(てつ)
 
 


 東京  扇元先生の実践です。

 ☆町長さんがやってくる

 4年社会科の学習「高地のくらしと低地のくらし」でクラスのこどもたちが現地の役場に手紙を書きました。
 内容は教科書ではわからなかったことについての質問と資料の請求。
「教科書の町以外の町に出したい」
という子もたくさんいて、地図帳で見つけた町に出していました。
 日本各地から続々と資料と手紙が届き、みんなほくほく。資料を食い入るようによんだ
後、お礼の手紙を出しました。
そんなやりとりの結果、なんと長野県真田町の町長さんが、わがクラスにやってくることになりました。
 仕事で来るついでらしいのですが
「教科書にのっていない町のことを調べるとはすばらしい。それも、真田町に興味をもってくれるとは嬉しい。ぜひ手紙をかいた子どもたちにあってみたい。」
ということで、来ることになったのです。
 当日は、町の紹介ビデオをみて、町長さんのお話をうかがった後、こどもたちが真田町について質問をする予定です。
 手紙を出したのは歴史のすきな男子4人。真田十勇士の里の町長さんに会える、と興奮気味です。
 わたしもわくわくしています。  

 12月2日、長野県真田町の町長さんが学校に来てくれました。
 4年生144名、図書室に集まってお話を伺いました。さすがに町長さん、お話がうまくて、子どもたちと一緒に、担任4名もひきこまれてしまいました。
 子どもたち全員にりんご1個ずつと真田十勇士のめんこ、学校には真田十勇士かるた、職員にはりんごと町で作っている豆をいただき、頭も心もおなかも大満足でした。
 子どもたち、特に手紙を出した4人には、一生の思い出になったような気がします。
 町長さんにすすめられて、真田町ホームページも覗いてみましたが、おもしろかったで
すよ。

 これだから教育はおもしろい!
 人生は出会いですね。