講座 音読指導



 音読指導                平成14年6月 三方小校内研修会にて

1 イメージする

白をイメージすると ちがってくるんです
「白いつばさ」というのは 子どもの場合流れちゃいます 
イメージで言葉は違ってきますよね 
そういうことを先生の考えで 子どもに教えてあげると
「君が言う白ってどんな白」「真っ白」とかありますよね そういう感じですね
そういうイメージというのがすごく大事なんで イメージのないところに音読をやらせても全然ダメですね
「なぜ できないのよ」と先生はよく言いますが イメージがないんですよ
まずイメージを作る

2 表現と技術

後は技術ですね
やる気があっても 中山選手のような感じですね 
ファイトあふれるけど ちょっと技術が足りない(笑)
技術がないと表現ができない
「100マス計算おれはやってやる」でも技術がないと速くなりませんね
よく私が言われたのは「技術主義」だということです 
「あなたは心が大事なんですか 技術が大事なんですか」
となるんですけど 両方大事なんです 
表裏で 技術がなければ表現できないし 表現するために技術を使う 

3 表現と学級づくり

学級づくりなんですけど さっき授業の中で 友達が失敗して「ハハハ」と笑った子もいますが あれは結構好意的に笑っているんでいいと思いますが 
クラスの中で「ハハハ できないじゃないか バーカ」みたいに思っている子がいますそういう時に 笑った子に「じゃあやってみろ」と言うとできないです 人前で こんだけ人数いて やっぱり開放されていないと表現なんてできませんので 
学級づくりをがんばらないとですね表現指導やってもダメです
「私(杉渕先生)の言う通りやっているんですが うちのクラスは全然できません」
と言う先生がいます
「あたりまえじゃん あんたのクラスじゃあ」と言いました
子どもに対して怒ってばかりいるんですよ その先生は
「はい読みなさい」なんて言ったって読みはしないですよね 開放しなくてはいけない
逆に音読で くだらないことやりながら楽しくやっていると
開放されてきてクラス自体がよくなってくる
一斉に読ませることが多いんですけども 声がそろってくるんです あるとき 「あっ変わったな」ということがうちのクラスは必ずあるんです 早いときで12月 だいたい2月ぐらいに声がガラッと変わります 
「あっ このクラスは水準に達したな」
たとえば私の知り合いで 大縄を五分間で500回とばせる男いますけども 
400回と500回では天と地ほどのちがいがあるんですね
498回499回でいっつもつっかかっちゃうんです
500を突破すると学級が全てよくなるんです 
そういう・・1000というのがあるんですが 私の場合 音読で越えています 
「あっ声が変わったな」
何段階も変わるんですが ガラッと変わる瞬間がございます 
「あっ変わった」
担任しかわかんないです 他の人はわかんないけど 私はわかる そういう瞬間が来るんです それがすごく楽しいんです いつ来るかなあ いつ来るかなあ すごい楽しみ 
4 腹式呼吸

さて 呼吸法をやってみます 俗に言う「腹式呼吸」です
いろんな呼吸があります
よくこうやるのは体育で深呼吸やりますが これを胸式呼吸 胸の呼吸といいます
ちょっとやってみてくださいね こうやるとこっちにはいりますね 肺に息が入ります腹式とは横隔膜 このへんに空気を入れるんです 背中の後ろに空気をブーンと入れる感じで吸ってみてください 
どうですか お腹へ込んじゃう人はできていないんです 早死にします(笑)
腹式呼吸はいいんです
チェック度はいろいろありますけど 
ここらへんを触ってですね あばらが膨らむといいんですね 膨らむ感じ ちょっとやってみてください いかがでしょうか 
私の場合 「背中の後ろに空気入れろ」 みたいなこと言います 水を瓶に貯めていくような感じで貯めていきます 
子どもって こうやって吸っちゃいますよね(胸をふくらませる)
こうやると声が ウッとこうなりますよ
三方の子たちもまだ こう吸っちゃっているんで あれは一日じゃできないですね 
やっても やらなければすぐ戻っちゃいます 
ただし 寝ているときは誰でも腹式呼吸と言われています 
コンビニの袋みたいのに砂を入れてですね ここ(腹)にのっけてですね
息の上げ下げをする 私 喘息の子の水泳指導していたんですけど それやるんですね2キロぐらいの重さで 喘息の場合 腹式呼吸じゃないと 過呼吸になっておかしくなってちゃいますので やるんです
そういう感じで こういうものをですね フッフッ こういう感じですね
ちょっとやってみてください 立って 自分の手をあててやってみてください
ろうそくでやってみましょう 右手を出してください 左手はおへその位置 
火が点いていると思って それを こういう感じ「フッ」と消してみてください
さんはい 

フッ 

お腹動きましたか
動かない人はちょっと食べ過ぎ 太りすぎかわかんないですけど(笑)
動かなくて当然だと思います 動けと念じてください
さんはい 

フッ 

女性はこれてウエスト2センチ縮まりますので
さんはい 

フッ 

さんはい 

フッ

三回続けて さんはい 

フッ フッ フッ

自分の誕生日の数だけ よーい こんなことはやりませんが(笑)
三回しましょう 

フッ フッ フッ

どうですか 動きましたか 
じゃあ 座ってください 

これが吸ったときにふくらまないとだめなんて言っても 一年生にはわからないんです
それより フッ フッ フッ「お腹動かせ」と言った方がいいんじゃないかと思いますこれが腹式呼吸です
意識はここに 丹田という おへそのちょっと下あたりに 奥の方に 小さい光るボールみたいのが へんなあれじゃないですよ(笑) あると思ってね そこに力を入れてみます 
例えばこっから息を吸って ここにためるんです 足から息吸ってください それをためるんです ここから声をだすように イメージ 目をつぶってやってみてください お腹に手をあててください 吸って吐いてをくり返してみてください
これで三人ぐらい寝ると思いますけど(笑)
これ一日10分やると健康になります 女性は肌がすごくよくなります 
ぜひ今日からやってみてください 化粧品代 浮くと思いますので
 
5 声を出す

次はですね 息の使い方です 音読でも 子ども達が 切って読むんですよね
たとえばこういう読み方をしますね
「よが あけました 朝の 光を あびて・・・」(ブチブチ切って読む)
一年生だと
「よがー あけましたー 朝のー 光をあびて・・・」(語尾を伸ばす)
それを見ていたお母さん方が
「いいわねーかわいくて」
担任の先生も
「上手ね」
かわいいんですけど これ一年生だからかわいいかもしれないですけど 六年生だと「馬鹿じゃないの」っ思われる 
じゃあ六年生はどうだというと 
「・・・・」(ぶづぶつ聞き取れない)
「田村正和か おまえは」
三方小の子はあれだけ声が出る 
高学年であれだけ声を出すと言うことは うまい下手じゃなくて すごいことなんです
私もね 神津島にいたんですけど 音読させると泣きますね
「読めません わー」
声を出させることが大変なんです 
表現以前の問題がたくさんありまして 三方小の子達はずいぶん学校として育っているあとは技術的なことを イメージとか教えてあげれば 今の十倍ぐらいよくなりますね

6 ボイスチェンジ

陰山先生が著書でお書きになっていますけど 「声を変える」とおっしゃっていますが私は「ボイスチェンジ」と言っています
音読の声というものがあります たとえば地声というのは普通の声ですね
「よがあけました」(地声で)
「よがあけました」(コントロールした声)
こういう声でやらせると全然違ってきます
一年生や二年生は「よがあけました」(甲高く 大声で)
「元気よく」と絶対に言ってはいけないんですね 
「元気良くイコールどなる」
担任の先生で耳が出来ていない方は 声がでかければいいと よくないですね 声帯もおかしくしますし・・・ 

では みなさんでやってみたいと思います
「よがあけました」だけをやってみていただきたいと思います
大人ですから 座ったままで・・・
なお 指導の場合はですね 私の場合 一斉読 斉読から入ります というのは追いついてきますので 言えない子も一緒に言うと 何回もできます
一人ずつやれって言うと できない子は全然できませんので ある程度 一斉でリズムをつけてやると 絶対できない子ができるようになります
一斉でやってみたいと思います
「よがあけました」を読んでみてください みなさんで さんはい

「よがあけました」

もう一回いきます さんはい

「よがあけました」

男の先生だけ さんはい

「よがあけました」

女の先生だけ さんはい

「よがあけました」

若い先生だけ さんはい

「よがあけました」(笑)

7 リード  読む前のイメージ

この時に大事なのは 私の用語なんですけど リードです
夜が明ける前があります
「真っ暗な」これイメージですね 
「真っ暗な 寒かった」
「はやく夜明けが来ないかな」
待ってるわけ 待ってて 待ってて だんだん明るくなってきた
そこで「よが あけました」と言ってほしいんです
ですから「よが あけました」と言うと 直なんですね
役者さんの素晴らしい人は 舞台袖で もう演技をやっています 
それからスーと出てきます 
呼びかけも同じですね 自分のとこに来て「ほい」意識が来てあと終わったら「ポイ」この意識を 自分のところで盛り上げて「よが あけました」

はい では みなさまの意識を足の裏からグーとためてください
夜がだんだんあけてきました 白んできました そして ここで さんはい

「よがあけました」

8 声を上げる

はい その時に声が「よがあけました」(落ちている)さっきも言っていたんですけど声を支えるというのは すごく大事です 歌も音読もそうですが 自分でいいなあと思っているのは 下がっています 上げないとといけません 
自分では保っているつもりが 落ちていますので 
「よがあけました」(上げる)
こういう感じで 上げて読んでみてください さんはい

「よがあけました」

どうですか 
「よが」がだめですね みなさんは「よが」になっています「よ」です 
「が」を「がっ」と言うといけません 
鼻濁音なんですけど「が」を柔らかく さんはい 

「よがあけました」

よくなってきましたね ただ ちょっと中年以降といいますかね さわやかな朝じゃないね(笑)二日酔いの「よがあけました」
さわやかな感じを出しましょう 青春の頃を思い出して はいいきます さんはい

「よがあけました」

ちょっと高めにすると さわやかさがでます 地声よりちょっと上げてください
メモリをあげて 温度をあげて さんはい

「よがあけました」

すばらしい もういいですね 

9 手でリード

手をこうやりながらやってください(手を下から上に)
さっき 子どもにやったんですけど 手がリードになります
先に こうやると体がついてきて 声が出てきます
もう一回いきます さんはい

「よがあけました」

はい すばらしいですね 
この「よ」っていうのは 例えば 次の日 試験で「やだなあ」「怒られるなあ」
「また0点だ」「あーあ 当てちゃったよ やだな」
例えばフランス代表「あーあ 今日 かえんなきゃいけねえのか 国民に 言われるな」その場合の「よがあけた」と韓国を比べてみます
韓国はイタリアに勝って「よがあけた やった」あけてないですね あの人たち 多分徹夜で騒いでましたからね そういう感じの 楽しみにしている「よ」
「よ」でもぜんぜん違います 
そういう時に子ども達に 例えばですよ 
「イメージしてごらん 今日は誕生日で 嬉しいんだワクワクしているんだ」
なんでもいいからそういう気持ちになって じゃあ「よが」って言ってごらんと言うとちょっとわかる
これをイメージの再現っていうんですけど 自分の中でイメージしないとダメなんです
なんかイメージしてください 奥さんと初めてデートする日 「遠いむかしだよ」そう言わないで それでいってます さんはい

「よがあけました」

さすが 先生達 うまいですね 
「朝の光をあびて」さんはい

「朝の 光をあびて」

10 文を切って読む

教科書は「朝の」で切ってありますが「朝の光をあびて」なのか「朝の 光をあびて」なのか二通り読んでみましょう 最初「朝の光を あびて」さんはい

「朝の光を あびて」

次は「朝の 光をあびて」さんはい

「朝の 光をあびて」

では ちょっと挙手してください どっちがいいか これはイメージですので 
最初の方がいいと思う人 少数はですね 希少価値
後の方がいいと思う人 多いですね

最初のでいきましょう 「朝の光を あびて」さんはい

「朝の光を あびて」

これ「朝」が勝負ですね 声を上げると さわやか感がでますので さんはい

「朝の光を あびて」

これはちょっと難しいです 「朝の」で切りたくなります 「朝の光を」さんはい

「朝の光を あびて」

「あびて」が落ちています
次は「朝の 光を」こういう感じですよね さんはい

「朝の 光をあびて」

この光が大事ですよね 電気の光 太陽の光 まぶしいな やだな わあ いいなあ
いろいろな光がありますんで それをイメージしてください 
世間の注目をあびて 罵声をあびて(笑)私は罵声をあびるのは慣れているんですけどそういうのあびたくないんですけど 罵声をあびて元気になる人間なりたいと思っていますが(笑)
「朝の 光をあびて」さわやかな感じでいってください
タヒチの楽園でも どこでもいいから さわやかな朝です 
それで読んでください さんはい

「朝の光を あびて 竹やぶの竹のはっぱが
 さむかったね うんさむかったね と ささやいています」

11 声の強弱

ここの教材では「ささやいて」とありますので これはうんと小さく言わせる
子どもって極端にやんないとわかんないんですね
私 久しぶりに二年生をもちました 
全然できないんじゃないんかと思っていましたけど 一回でできちゃったんです
「すごいな 君たち 天才だね」  

「竹やぶの竹のはっぱが さむかったね うん寒かったね 」これでやるとオー これが強弱
内緒話のような感じで「さむかったね うん寒かったね 」と読んでみてください さんはい 

「竹やぶの竹のはっぱが さむかったね うん寒かったね・・・」

ブッブッブッブッブッ ブー できないんですね なかなか 
ブレーキかけてもとまんないみたいなもんですね これ練習しないとできないんです
「竹やぶの竹のはっぱが さむかったね うん寒かったね 」このぐらい差をつけてください
先生方 小さくしろという指示を聞いていないんじゃないですか
「なんであなたはできないの」 みなさんよく言うことないですか
やっているけど できないんですよね
こういう子どもの辛い思いを感じながら 懺悔の気持ちを込めて(笑) さんはい

「竹やぶの竹のはっぱが さむかったね うん寒かったね」

いいですね 今度は新婚カップルの会話だと思ってやってください

「竹やぶの竹のはっぱが さむかったね うん寒かったね」

家でやってみてください「バーカ」って言われますから(笑)

私よく家でやったりするんですけど ネコ相手にやったりするんです(笑)
「お父さんは何やっているの」
うちの娘ちょうど二年生で これやっているんですよ
家の奥さんがやると
「早く読みなさい 10回読みなさい」
強制的に音読させて「ヤダー」ってなります 
ハンコをおさないといけないんですね 親が感想書かないといけないんですよ
かわいそうにね 音読きらいになって 私が早く帰ったときやっているんですけど
そんなことはいいんですけど(笑)

12 体の向きを変える

こういう感じで ちょっと向きを変えてやると二人の感じが出てきます
たとえば これね「さむかったね うん寒かったね 」ちょっとしたことなんですが 二人の感じがでてきます ちょっとこういう感じでやってみてください さんはい

「竹やぶの竹のはっぱが さむかったね うん寒かったね」(向きを変えて)

異様な光景ですね(笑)いいなあ 俺恥ずかしくてできないなあ えらいですね 
次は熟年夫婦とか いろいろですね
例えばふるえながら さっきやった学年で ブルブルの○○ですって喜んでいましたけどね こうやってから  寒さを感じるために 冷蔵庫の それをイメージする
ちょっと思い出す感じす 
「さむかったね うん さむかったね」をやってみてください

「竹やぶの竹のはっぱが さむかったね うん寒かったね」

ここでギャグを入れてたりします
「竹やぶの竹のはっぱが さむかったね さむくないよ」
だんだん子どもが飽きてきますので だんだんつまんなくなってきます
すると変えます
「竹やぶの竹のはっぱが さむかったね さむくないよ とささやいています」
声に抑揚がない子に「さむくないよ」とい言わせるといい味を出します(笑)
うちのクラスに○君って子がいます 表情か変わらないんですよ
「大丈夫 生きてる 元気」「元気です」
「おこってる」「おこってます」
「笑ってごらん」「ハハハハハ」
顔が変わらないんですよね 最近随分変わってきました
横の人に「さむかったね さむかったね」と言ってください 
相手の目を見てくださいね(笑)よーい はい

逆折り返し いきます

ばからしいけど 30人いれば 30回できますからね 
二人組でもいいですね いろいバリエーションがありますのでこういうのやると 笑いながらうまくなる おもしろくないとつまんないでしょう
では「雪がまだ少しのこって あたりはしんとしています」いきましょう さんはい

「雪がまだ少しのこって あたりはしんとしています」

13 目の動き

ここは目の動きをやってください 竹やぶとかいろいろ見ているんです 雪が残っているなあ あたりはしんとしているなあ 
雪がまだ少し残って あたりを見ます あたりは しんとしています
あたりをみてください 音が聞こえないな さんはい

「雪がまだ少しのこって あたりはしんとしています」

こういう人いますね
「雪がまだ少しのこって(あたりを素早く見回す)」これはやめてくださいね
もう一回 いきます

「雪がまだ少しのこって あたりはしんとしています」

このあたりがおもしろいんですね 
先生方は「あたりは」(下を見る)お金を探しているんですね
テレビ画面のこういう感じでいってください さんはい

「雪がまだ少しのこって あたりはしんとしています」

次は「あたりはしーーーーんとしています」これ好きなんですよ 子どもは 
どれぐらい伸ばせるか とりあえず 180度 さんはい

「あたりはしーーーーんとしています」

あんまりやると心臓が止まりますんで(笑)
では立ってください 一瞬いきます 360度(回転する)パノラマです

「あたりはしーーーーーーーーーんとしています」

異様な光景です ありがとうございました
ご協力ありがとうございます
小学校1.2年生は好きですね
これ息のトレーニングにもなります
息をうまく使う ちょっとずつ ちょっとずつ出したり
これができないと音読できません 
息をうまく使う練習にふざけながらなっているんです
では 次いきます ここで「しーんとしています」静かなんだな 
そこでですね「どこかで小さいこえがしました」とありますんで 
それで「シーンとしています」
これで耳をそばだてて「こえがする」どこかわからないので 目がこういう感じになると音読にいいんですけど あたりはシーンとしています おっ音だ さんはい

「あたりはしーーーーんとしています
 どこかで 小さなこえがしました」

いっぺんで言ってはいけませんね わかってんですから
かくれんぼと同じで どこかわかんないから絵がこうなる 
「小さなこえがしました よいしょ よいしょ おもたいな」焦点化します 
目が あっあそこだ 竹やぶのそばのふきのとうなんだ 
こっから目をくっと止めて 力をいれます そこまでいきます 
目をこうして「竹やぶのそばのふきのとうです」のところで
竹やぶのところで目がとまってちょっと力をいれてください さんはい 

「あたりはしーーーーんとしています
 どこかで 小さなこえがしました よいしょ よいしょおもたいな
 竹やぶの そばの ふきのとうです」

14 メリハリをつける

 メリハリをつけてください
「よいしょ よいしょ」いろいろな読み方がありますから ここも楽しめるところです
「重たいな」竹やぶのそばのふきのとうです 「よいしょ よいしょ おもたいな」
目がこうなって がらっと変えてください さんはい

「どこかで 小さなこえがしました よいしょ よいしょおもたいな
 竹やぶの そばの ふきのとうです」

では「よいしょ よいしょ」いきますね 先生方のは 全然重たくないですね 
「重たいなあ」は いろんな言い方がありますので 重たそうにやって下さい
一番いいのは 30キロぐらいの荷物をしょってやるのがいいですね 
そういう実感が大事です
私「ソーラン節」が大好きで伊藤多喜雄さんとやったこともあるんですけど 
あの「ソーラン」の綱を引く感じ 実際にやってみないと 重さがでません 
茶道の心得に 「軽い物は重たく 重たい物は軽く」これが大事だと思いますので 重たい感じを出してください
「重たい」をするといろいろ出てきますので 楽しめます
では「よいしょ よいしょ 重たいな」をやってもらいましょう

「よいしょ よいしょ 重たいな」(参加者が一人でする)(拍手)

「よいしょ よいしょ 重たいな」(参加者が一人でする)

これね 同じ路線でいったら つまんなくなるんですね 
ガラッと変えて やってもらいたいと思うんですが(笑)お願いします

「よいしょ よいしょ 重たいな」(参加者が一人でする)

なかなかこうはできませんね 拍手をお願いします(拍手)

15 声を上げ下げする

「わたしも はやくとけて水になり とおくにいって あそびたいけど」
声をバー 遊びたい(大きくなる)けど(下がる)これトレーニングです
「わたしも はやくとけて水になり」ここまでいきましょう さんはい

「わたしも はやくとけて水になり」

ちがいます 「わたしもはやくとけて」(重々しく言う)(笑)そうじゃないですよ
もうすこし指示を聞いてください(笑)
「わたしも」からいきます さんはい

「わたしも はやくとけて水になり とおくにいって あそびたいけど」

よくなりましたね その「わたし」が まだ大きいんですね 
「わたし」を小さく言って だんだんあげていく感じですね
これかできると子ども達 音読が すごくうまくなるんです 
コントロールと言っておりますが さんはい

「わたしも はやくとけて水になり とおくにいって あそびたいけど」

「水になり」で上がりすぎているから 「とおくにいって」ができないですね (笑)
ここで考えなきゃいけない 最初のデートコースを豪華でいくとラーメンにはできない
最初はラーメンから始めるように「わたしも はやく水になり」ここからあげていくんです「とおくにいって あそびたいけど」これは学習能力ですね できない子は 最初から声があがってしまいます 最初からトップですからだめです
もっと小さくから始めて 息をあんまり使わないように「はやくとけて水になり」までもっていかないと「とおくにいって」からが苦しくなります
「わたしも」からいきます さんはい

「わたしも はやくとけて水になり とおくにいって あそびたいけど」

「あそびたい」「けど」(極端に落とす)子どもは大好きでね 
「とおくにいって」からいきましょう さんはい

「とおくにいって あそびたいけど」

上手ですね 「と上をみあげます」音読の練習では ここで竹やぶにつなげちゃった方が効果的です
「と上をみあげました」はとばしてください「わたしもからいきます」さんはい

「わたしも はやくとけて水になり とおくにいって あそびたいけど 竹やぶのかげ になって お日さまがあたらない」

それでもいいですね 声の練習ですから いろんなパターンでやらせると まず 自分ができないとだめなんで お風呂場でも 鏡の前でも 「何やってんだ」と言われないように 朝早く起きて やりましょう 近所迷惑ですね(笑)

16 向きを変え 声をかえる

次ですね 「おうい 春風 起きなさい」さっきやったんですが 自分がやってみるとまた違いますんで はい では 立ってください 
無理矢理 南をっちに設定しますので「おうい 春風 おきなさい」 さんはい
 
「おうい 春風 おきなさい」

じゃあ二回目 まだおきないのかよという気持ち さんはい

「おうい 春風 おきなさい」

気が短いお日さまですね イライラしてきました さんはい

「おうい 春風 おきなさい」

「おきなさい」は「お・き・な・さ・い」(強く言う)という感じ

「おうい 春風 お・き・な・さ・い」

笑えますね こういう馬鹿みたいなこと やっていますけど 
新婚さんが「あなた」と言う感じて「おうい はるかぜ おきなさい」といろいろありますね 
六年生ぐらいになると「何いってんだ このやろう」という顔で見る子もいますが 低学年たどいろいろゃっています 
みなさんにもやってもらいますんで 一人ずつというとちょっと緊張しますよね やりません
「おうい 春風 おきなさい」かわいらしく 優しくおこしてあげてください はい

「おうい 春風 おきなさい」

耳元でいう感じ

「おうい 春風 おきなさい」

それで 春風 いってくださいまだ 目が覚めていません「やあ みんな やあ みんな もっと寝るよ」ねぼけています さんはい

「やあ お日さま やみんな おまちどお 」

あくびてリードしてみてください 
「あーあやあ お日さま・・・」ちょっとオーバーですけど これぐらいやると 子ども達はすごい喜びますね 
「先生 ほんもの そっくり」
「いつも 朝 やっているだけだ」(笑)
「やあ お日さま」からもう一回 やってください 自分を捨てて さんはい

「やあ お日さま やみんな おまちどお 」

横着な春風ですね お日さまと みんなと同じ方向ですね 向きをかえて してみましょう さんはい

「やっ お日さま やっ みんな おまちどお」

めざめがいい春風 さっと目が覚めます 
わたしも調子いいときは ネコになめられてすぐ目が醒めるんですけど 
だいたい四時半に起きていますが 
さっ パッとさわやかな春風 さんはい 

「やっ お日さま やっ みんな おまちどお」

もっとさわやかに はいいきます さんはい 

「やっ お日さま やっ みんな おまちどお 」

今日の講座を受けた人は 三歳若くなりましたね(笑)
だんだん起きてきます そういう感じを表してみます
さんはい 

「やあ お日さま やっ みんな おまちどお」

17 息を調整する
 
はい では次ですね 「春風は むねいーーーーーーーーーっぱいに」(動作を入れて)胸いっぱいですよ 腹いっぱいじゃないですよ さんはい

「春風は むねいーーーーっぱいに いきをすい、ふぅといきをはきました」

少ないですね 省エネですね もっと 吸ってください
あまり吸うと 空気がなくなるので 気を付けてください さんはい

「春風は むねいーーーーーーーーっぱいに いきをすい、ふぅ といきをはきました」

その「ふぅ」もおもしろいんですね いろいろやるんですけど これも遊んでください
いろんな「ふぅ」があっていいと思います。
「胸いっーーーーーーーーーーぱいに」これはちっょとやりすぎなんですけど これぐらい極端にやると 音読嫌いな子が 好きになるんですね
「それだけはやりたい」と「ぼくにやらせてくれ」
いつも手を挙げないのに この時は挙げるんですね(笑)
こういうこくだらないことをくり返していく内に その子は音読が三月ぐらいには好きになってきました するとお母さんが
「先生 うちの子 すごく音読が好きになって 家でも読むようになりました」
「なぜできないの」「なぜやんないの」じゃなくて一年間ぐらいかけてあげて 嫌いな子にはおふざけが有効ですね 
六年生はしらけていますが 芸人が必ず一人か二人いますから その子たちがやっていくうちにだんだん芸人が増えてきます これをねずみ講方式といいます(笑)
よく弱い子から指導するということがありますが それはだめなんですね 出来ない上に自信がなく やりなさいなんて言われると よけいできなくなっちゃうんですけど 「うまいねー」「うまいねー」「うまいねー」下手でも「うまいねー」というとばれちゃいますね 特に高学年では だから真実からほめるんです 
「こことで(笑)
どうもありがとうございました。